【中学受験2024】首都圏・関西で受験率過去最高、合格を勝ち取るための夏の過ごし方…家庭教師のトライ

 家庭教師のトライの教務責任者であり、難関受験専門教育プランナーの宝田亮祐氏に、首都圏と関西の2023年度の入試動向と、夏休み中の効果的な学習方法と心構えについて話を聞いた。

教育・受験 小学生
PR
【中学受験2024】首都圏・関西で受験率過去最高、合格を勝ち取るための夏の過ごし方…家庭教師のトライ
  • 【中学受験2024】首都圏・関西で受験率過去最高、合格を勝ち取るための夏の過ごし方…家庭教師のトライ
  • 【中学受験2024】首都圏・関西で受験率過去最高、合格を勝ち取るための夏の過ごし方…家庭教師のトライ
  • 【中学受験2024】首都圏・関西で受験率過去最高、合格を勝ち取るための夏の過ごし方…家庭教師のトライ

 全国的に加熱化する中学受験。「首都圏では受験者数過去最多を更新しました」と話すのは、家庭教師のトライの教務責任者で、難関受験専門教育プランナーの宝田亮祐氏だ。

 厳選されたプロの家庭教師と、専任の教育プランナーによるきめ細やかなトータルサポートで豊富な合格実績が定評のある、家庭教師のトライの中学受験コース。多くの難関中学合格者をサポートしてきた宝田亮祐氏に、首都圏と関西の2023年度の入試動向と、夏休み中の効果的な学習方法と心構えについて話を聞いた。

今年も開催!
参加費無料「中学受験対策プレミアムセミナー」の詳細はこちら

最難関校への回帰も…新設校・伝統校それぞれの魅力再発見

--2023年の中学入試について、首都圏と関西の動向をどのようにみていらっしゃいますか。

 2023年の中学入試では、コロナ禍からの中学受験人気の高まりをあらためて見せつけられました。首都圏は受験者数・受験者率ともに上昇、関西は少子化傾向ながら受験者率が上昇しました。「子供に適した教育を受けさせたい」という親御さんの思いが継続しているからこその傾向だと感じています。

 また、安全志向だったコロナ禍が明けて、2023年度は最難関校へのチャレンジに回帰する動きがありました。関東では、開成と桜蔭でいずれも前年度の受験者数を超えましたし、関西でも灘、洛南、東大寺などが前年度の受験者数を大きく超えました。

--以前のインタビューで「偏差値帯50~60の学校の人気が非常に高まっている」というお話がありました。2023年度入試に関してはいかがでしたか。

 はい、今回も同様、偏差値50~60ぐらいの中堅から難関までのいわゆる「ボリュームゾーン」の中学が注目され、それゆえ中学受験全体の人気を牽引したと言えるでしょう。偏差値だけを指標にするのではなく、それぞれの学校でどのような教育や取組みが行われているかを、親御さんが重視しているからこその動きです。「子供に合った教育を受けさせたい」という保護者の思いを、強く反映するような結果になったと思います。

--人気の高まった学校の特徴はありますか。具体的な学校も挙げて、教えていただけたらと思います。

 新しい学校と伝統的な学校、それぞれの取組みが確認され、両方の良さが見直された年だったように思います。

 まず、グローバル系の取組みに力を入れている新しい学校が注目されています。首都圏に関しては、2023年度、芝国際やサレジアン国際世田谷が新設されましたが、2024年度には羽田国際も開校予定です。「国際」と名のつく人気校がかなり増えてきた印象です。関西でも、大阪府立の中高一貫校入学者選抜で2024年度から英語の一部導入がスタートすることもあり、やはりグローバルな学びに関する注目度は高くなっています。

 次に、伝統的な学校について。この点に関しては、別学の強みを生かした女子伝統校の動きが活発で、社会に生きるプログラムを展開する中学が多いです。たとえば28歳から逆算して理想の自分を思い描く「28project」に取り組む品川女子のほか、山脇学園や吉祥女子、神奈川県の湘南白百合といった学校の魅力が見直され、再び人気が高まった印象があります。

--ほかに、2023年度の首都圏での人気傾向はありますか。

 首都圏での人気傾向は2つ挙げられます。

 まず、埼玉や千葉の学校を併願校に据える動きが、あらためて強まったことです。コロナ禍が明けて、第一志望で思いきりチャレンジをするためにも、埼玉や千葉の併願校をしっかり押さえておく動きが強まっています。以前から人気校だった千葉の市川、埼玉の栄東・埼玉栄は、2023年度もかなり受験者数を伸ばしました。

 特に、埼玉には東京の「前受校」になることを自認されている学校も多く、試験当日の点数や順位を教えてくれる学校があります。そういった受験生への丁寧なサポートをアピールすることで、結果的に「東京の学校に通うより、手厚いサポートをしてくれる地元の学校へ」という地元での進学欲を高めることにもつながっているのだと思います。

 次に、大学進路実績が受験者数増に大きく寄与したという点です。たとえば、2023年度多くの東大合格者を輩出した東京都市大学付属等々力では、受験者数・志願倍率ともに上がりました。難関私大合格者数が躍進した逗子開成、高輪、中村なども受験者数が増えています。

--関西の入試傾向はいかがでしょうか。

 首都圏では大学附属校の人気は一旦落ち着きましたが、関西では引き続き、関関同立の大学附属校に人気が集まっています。関西大学第一、初芝立命館、関西大学中等部などで大きく受験者数が増えました。関西大学中等部や同志社で今年から実施された算国の2科目入試も、人気の獲得に影響を与えたように思います。

 関西も試験内容は多様化してきているものの、まだ首都圏のように英語入試や特殊な入試は多くありません。お子さんに合わせた学校に行かせたいという教育方針の中で、その先も見据えた大学附属校に入れたいという思いが強まっているのかなと思います。

--入試の出題傾向はいかがでしたか。

 近年の傾向として、大学受験の流れを踏襲する動きが活発になっています。そうした影響からか、関西の最難関校の灘と、九州の最難関校である久留米大学附設の国語で同じ文献からの出典があったことが印象的でした。文章を校正する過程を題材とした説明文からの出典で、「複数の文章を関連付けて読み解く」という入試トレンドが顕著に表れた例と捉えられます。

 こうした2020年からの大学入試改革に伴う中学入試の変化が、2023年度も継続してみられました。国語に限らず全科目で、複数の図表資料を組み合わせて解く問題や、さまざまな文章を関連付けて読むといった、思考力を問う問題が重要視されつつあることが、近年の入試問題の特徴として言えます。

最新の入試傾向を解説!
参加費無料「中学受験対策セミナー」の詳細はこちら

夏休み、過去問とのベストな向き合い方

--中学受験生にとって、夏休みの効果的な学習方法を教えてください。

 小学6年生の夏休みは、落ち着いてまとまった学習時間の取れる最後のチャンスです。これまで学習した内容の復習と、9月以降にスタートする応用演習や過去問演習の準備の両方に取り組むべく、時間の使い方をしっかりカスタマイズしてほしいですね。

 特に、小学5年生の後半から6年生にかけて学ぶ内容は、入試において差がつきやすい単元が多く、人によって苦手な部分も異なります。4月から6月までに習ったことをしっかり濃淡をつけて、再度復習することが必要です。一方で、自分のレベルより難しめの問題と戦っていく勝負も必要ですので、夏からは応用問題にも少しずつチャレンジする習慣をつけてほしいところです。

--早い時期から過去問に取り組むことを勧める中学受験塾もあります。どのタイミングで、どのような取組み方で過去問に向き合うべきでしょうか。

 過去問に関しては、時間の取れる夏休みを利用して親子それぞれが手に取り、志望校の傾向を早めに理解しておくことが重要です。志望校のレベル感を把握することが目的なので、新しい年度のものに絞って、眺めながら傾向を分析したり、少し解いてみたりするくらいで十分です。

 とはいえ、過去問に触れた結果、時間配分や科目の配点、どの単元の出題が多いのかということを、大まかにでも言語化し把握しておくことが保護者には必要でしょう。お子さんは、今の自分の学力でどれぐらい解けるのか、あとどれぐらい点数を上げる必要があるのかを、周りに左右されずに実感をもって把握することが大事です。

 たとえ現在のお子さんのレベルでは合格が難しいように感じたとしても、夏休み時点で第一志望校を変更することまでは考えなくて大丈夫です。志望校の出題傾向を理解して対策を打てるかが重要であり、半年間で偏差値が20以上違う中学に合格した生徒を何人も見てきました。ただ、第一志望が大きなチャレンジになりそうだと感じたのであれば、第二志望は安全圏から選ぶ等、併願戦略を検討する機会にすると良いでしょう。夏休みを使って、ご家族で上手に受験の方向性を共有して、作戦を考えていくことが大切だと思います。

日進月歩の中学受験、絶えず情報のアップデートを

--各家庭の受験戦略については、御社でもサポートされていますが、大切にされていることはありますか。

 中学受験に関しては、弊社のサービス以外にも非常に多くのサービスがありますが、いちばん大切なポイントは指導力ではないでしょうか。中学受験を巡る状況はたった1年で大きく変わりますし、子供のタイプや受験校によっても指導パターンは異なります。トライでは、常に全社で情報共有を図り、最新の中学受験情報をしっかりアップデートし、指導力を高めることに努めています。

 また、トライでは講師とは別に、講師と子供とご家庭の三者をつなぐ「教育プランナー」という専任の社員が伴走します。ご相談を受けた際には、最初に教育プランナーが子供の特性や家庭の要望等をお伺いし、どのようなタイプの講師が良いか、子供ひとりひとりの性格や学習スタイルに合わせて選抜します。授業がスタートした後も、年間の学習カリキュラムや目標設定については教育プランナーが作成し、それを講師が具体的な学習内容に落とし込んでいきます。年度によって人気や出題傾向が大きく変化する中学受験でも、教育プランナーと講師が二人三脚で、戦略と学習の両面からサポートすることで、お子さんが志望校合格を勝ち取れる仕組みを整えています。

--集団塾と御社の個別指導を掛け持ちされる方も多いのでしょうか。

 そういった併用をされるご家庭は多いですね。掛け持ちを前提にお問い合わせいただき「苦手な算数だけ教えて欲しい」とか、あるいは「第一志望の対策は塾でやっているが、ついていけないので底上げしてほしい」というご要望もあります。また、苦手な教科は個別指導に完全に切り替えるというご家庭もあります。併用も、切り替えも、そのご家庭、その子ひとりひとりの状況に合わせてカリキュラムをカスタマイズし、ご提案しています。変化が激しい中学受験だからこそ、今まで通りのやり方のみにとらわれず、私たちのような第三者の目をうまく使っていただきたいですね。

--高学年の夏休み、そして夏休み明けの時期は、成績が伸び悩み、個別指導に頼りたいというご家庭もあるのではないかと思います。御社ではどういったことを重視して指導をされているのでしょうか。

 小5、小6で伸び悩む子供の多くは、インプットの総量が増えていくに従って「たくさん公式を覚えたけど、どっちを使うんだっけ?」「どの解法を使うのが良いの?」と頭の中で知識がこんがらがって一定期間点数が取れなくなる、いわゆる「スランプ」に陥りがちです。こういったスランプを脱するには、集団授業で再度説明してもらうよりも、個人のつまずきに合わせて、絡まった知識の紐をほどいていくというアプローチが必要です。

 そのために、トライでは「ダイアログ学習法」と呼んでいる手法を活用しています。子供自身が講師役になって教えてもらったことを説明しながら、知識を自分で整理し直すのです。インプットした知識を、アウトプットすることで理解が深まり、テストの点数もアップします。これは1対1のマンツーマン指導を行うトライだからこそ実現できる、学習法だと自負しています。

--それでは、来年の今ごろを見据えて本記事を読んでいる小4、小5のご家庭に向けてメッセージをお願いします。

 今、まさに中学受験そのものの常識が変わり始めています。これまでは中学受験といえば集団塾に缶詰になるというイメージでしたが、塾に行かずに算国英の3科目で合格するケースや、夕食は家族で一緒に食べるなど家族の時間を大事にしながら受験勉強を進め、合格しているご家庭もあります。集団塾、個別指導それぞれに良さがありますので、ご家族で「わが家はどういう中学受験にしたいか」、中学入試の先にある子供たちの未来をあらためて考えながら、未来から逆算をして最適な学習方法を選んでいってほしいですね。

 近年では、子供の未来の可能性を広げるべく、学校ごとにさまざまな取組みをされています。学校や学習の選択肢を幅広く見てもらって、お子さんに合うものを常識にとらわれずに選択いただきたいですし、私たちも教育のプロとして精一杯サポートさせていただきたいと思います。

--最後に、受験シーズンが目の前に差し迫りつつある、小6のご家庭に向けて、ひとことメッセージをお願いします。

 夏休みは40日間ほど学習に没頭できる時間があります。学校の授業期間の3~4か月以上の価値が、夏休みの1か月にあると思います。夏休み中に偏差値10~15上げるということは可能ですし、私たちにもそのような実績があります。

 自分の弱点をしっかり理解し、向き合い、丁寧に潰していく。これがしっかりできれば、点数にもつながっていきますし、成果にもあらわれてきます。偏差値を上げることだけにこだわらず、志望校合格に向けて何をするべきか考え、いろんな人のサポートも受けながら、焦らず取り組んでください。自分の可能性を信じて、「この夏に変わろう」と自信をもって頑張ってほしいですね。

--ありがとうございました。


 近年、出題傾向どころか入試科目自体も変化が大きい中学受験。表面的な偏差値だけではなく、受験後の子供の未来を見据えて相談しながら、マンツーマンで当日まで伴走してもらえる安心感は、親子ともに計り知れないのではないだろうか。

 宝田氏からのアドバイスを参考に、夏休みに集中して過去問や自分の弱点分野とじっくり向き合うことで、秋以降の飛躍につながるはずだ。

宝田氏登壇!
7月開催「中学受験対策セミナー」の詳細はこちら

《土取真以子》

土取真以子

関西在住の編集・ライター。教育、子育て、ライフスタイル、お出かけのジャンルを中心に、インタビュー記事やイベントレポートなどの執筆を手がける。教育への関心が強く、自身の出産後に保育士資格を取得。趣味が旅行とハイキングで、目標は親子で四国お遍路&スペイン巡礼。

+ 続きを読む

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top