日本科学未来館は、2023年11月22日から「ロボット」「地球環境」「老い」をテーマにした新しい常設展示4つを公開する。さまざまな社会の課題との向き合い方や解決に向けたヒントを、最新の科学や技術にもとづく展示体験を通して探っていくという。
「ロボット」の新展示は、これからますますロボットが暮らしに溶け込む未来を見据え、その関わり方を考える。1つ目の展示は、「ハロー! ロボット」。コミュニケーションロボットなどとのふれあいや、最新のロボット研究の紹介を通して多様なロボット技術を知り、その可能性を体感できる。2つ目は、人とロボットがともに暮らす未来のまちで起こる物語に参加する展示「ナナイロクエスト-ロボットと生きる未来のものがたり」。専用タブレットを使ってまちで起こったトラブルを解決するなかで、人とロボットとのさまざまな関係性に向き合う。最後には来館者同士が多様な価値観を共有し、考えを深めることができる。
「地球環境」の新展示は「プラネタリー・クライシス-これからもこの地球でくらすために」。音響や振動などの演出や現地で収録した臨場感あふれる映像を用いた、気候変動の影響を受ける太平洋の島国、フィジー共和国の人々の暮らしを体感する大型映像体験から始まる。急激に変化する地球環境の今を科学的なデータに基づいて捉えながら、私たちの暮らしが多様な環境問題を引き起こしている現状を理解し、私たちに今、何ができるのかを考える。
「老い」をテーマした新展示は「老いパーク」。6つの体験展示を通して、老化により生じる目、耳、運動器、脳の変化を疑似的に体験する。老化現象が起こるメカニズムや現在一般的に取りうる対処法、近い将来身近になるかもしれない研究開発中のサポート技術などを紹介しながら、ひとりひとりにとっての豊かな老いとの付き合い方や生き方のヒントをともに考える。
展示公開に先立ち、館長浅川智恵子氏は「私たちの社会にはさまざまな課題があります。これらの4つの展示を通して、新しい科学や技術に親しみながら、多様な人々の考え方に触れていただき、よりよい未来への糸口をいっしょに見つけていきましょう。STEAM教育や探究学習などの場として活用いただくことも期待しています」と述べている。