小学生の約8割「放課後にもっと友達と遊びたい」

 放課後NPOアフタースクールは、小学生の放課後の過ごし方に関する独自調査の結果を2023年11月14日に公開した。76.2%の小学生が「放課後にもっと友達と遊びたい」と回答したのに対して、友達と遊ぶのは「週1回以下」が70.9%となった。放課後に思うように遊べない理由として「時間がない、仲間がいない、空間がない」ことが明らかになった。

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2023年小学生の遊びに関するWebアンケート調査
  • 2023年小学生の遊びに関するWebアンケート調査
  • どうして放課後に思っているように友達と遊べないと思うか
  • もっと友達と遊べるようになるには、どうなるといいと思うか
  • 小学生と保護者へのインタビュー:放課後に思うように遊べない理由

 放課後NPOアフタースクールは、小学生の放課後の過ごし方に関する独自調査の結果を2023年11月14日に公開した。76.2%の小学生が「放課後にもっと友達と遊びたい」と回答したのに対して、友達と遊ぶのは「週1回以下」が70.9%となった。放課後に思うように遊べない理由として「時間がない、仲間がいない、空間がない」ことが明らかになった。

 調査は2023年8月10日、小学生の子供を持つ男女を対象にインターネットで実施。有効回答数は302。さらに、8月24日から9月20日にかけて、小学生とその保護者を対象に、個別インタビュー10回、グループインタビュー1回を対面またはオンラインで実施した。

 「どうして放課後に思うように友達と遊べないのか」という問いに対しては「友達と予定が合わないから(48.7%)」がトップ、ついで「自分が塾や習い事で忙しいから(35.2%)」「友達が塾や習い事で忙しいから(25.2%)」「友達と遊べる場所がないから(25.2%)」と続く。次に「もっと友達と遊べるようになるには、どうなるといいと思うか」との質問に対しては「友達の遊べる日が増える(39.1 %)」で、「遊び場が近所にできる(35.7%)」「やらなきゃいけないことを減らして遊べる日を増やす(33.9%)」との回答が多かった。

 小学生と保護者へのインタビューで思うように遊べない理由を聞くと、子供からは「習い事や宿題で時間がないから遊べない」「自分も友達も習い事があって予定が合わないことも多い」「友達が学童をやめちゃった(から一緒に遊べない)」「公園が近くにない」といった、時間・仲間・空間の「3つの間」に課題があることが伺える。

 保護者からは「子供の遊び場がとにかく少ない」「公園はあるけど子供が遊べるように整備されていなくて、危なくて遊べない」など、子供同士で安全に遊べる場が少ないという声が寄せられたという。また、「校庭開放はあるが、一度家に帰ってから遊びに行くルール。家と学校が遠いから遊びに行かない」「ドッジボールを楽しみに児童館に行っていたけど、職員さんにドッジボールを禁止されてから行かなくなった」「学童の支援員不足で目の前の公園にも行けない」など、遊び場のルールや人・環境による制約のため思うように遊べない場合もあることがわかった。

 調査を行った放課後NPOアフタースクール代表理事・平岩国泰氏は、「今回の調査から、現在の小学生がいかに『自由』の少ない放課後の時間を過ごしているかが明らかになりました。子供自身の意思で過ごし方を決められる余白が少ないことは、子供のウェルビーイングにも影響し、現代の子供を取り巻くさまざまな問題の深刻化につながっていくことを懸念しています。(中略)進化の起点となるのは、『子供の声』です。この調査結果が、さまざまな立場で子供に関わる方々にとって、『これは本当に子供目線になっているか?』と身近なルールや環境を問い直し、子供の声を聴いて、その願いの実現に向けた取組みや子供たちとの対話を始めるきっかけになればと強く願っています。」とコメントしている。

《中川和佳》

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