2022年12月5日に経済協力開発機構(OECD)が発表した国際的な学習到達度調査「PISA2022」。コロナ禍を経て4年ぶりの実施となった今回、日本は数学的リテラシーにおいて全参加国・地域中で5位、OECD加盟国(37か国)では1位となった。
ではPISAではどのような問題が出題されているのだろうか。世界の15歳に課されている「数学」の問題を紹介する。
なお、PISA2022年数学的リテラシーの公開問題として公表された問題は、コンピュータ使用型の数学の問題として開発され、2022年調査の数学の枠組みを表すもの。しかし、PISA2025年調査には使用されない。また、公開問題(4大問)の解説および採点基準は、OECDのPISA2022国際結果報告書の本文を国立教育政策研究所で翻訳したもの。日本の正答率は、国立教育政策研究所が作成したデータ。
実際の問題:レベル(日本の正答率67.5%)
モデル図や表に示された数値を解釈し、目的に応じて適切に用いる力を問う問題
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<解説> この問題の特徴は、モデル図に示された数値の意味が、太陽から該当する2つの惑星までの平均距離の差であることを読み取り、表の数値から差を求め、適切なものを選ぶことにある。具体的には、まず、問題文のモデル図に2つの惑星間の平均距離の差が4.38、9.62と示されていること、表には太陽から各惑星までの平均距離が示されていることを把握する。そのうえで、たとえば9.62をおよそ10ととらえ、表を用いて太陽から各惑星までの平均距離の差を概算すると、土星と天王星間の平均距離に着目することができる。実際にその差を求めると9.62であることがわかる。さらに、木星と土星間の平均距離を求めると4.38であることがわかる。この問題はレベル3とされており、日本の正答率は、67.5%(OECD加盟国中2位)である。
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