【共通テスト2024】英語の分析…東進・河合塾・データネット・代ゼミ速報まとめ

 2024年1月14日、2024年度(令和6年度)大学入学共通テスト(旧センター試験、以下、共通テスト)1日目が終了した。4予備校より提供を受け、「英語」の共通テスト分析速報「科目別分析コメント」を紹介する。

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【共通テスト2024】英語の分析…東進・河合塾・データネット・代ゼミ速報まとめ
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 2024年1月14日、2024年度(令和6年度)大学入学共通テスト(以下、共通テスト)1日目が終了した。4予備校より提供を受け、「英語」の共通テスト分析速報「科目別分析コメント」を紹介する。

英語・リーディング

東進

 大問数は変化なし。設問数、マーク数いずれも変化なし。大問の配点も昨年と同じ。難易度はやや難化。出題形式は昨年と同じ。大問6題からなる構成で、配点にも変化はなかった。設問数、マーク数いずれも変化がなかった。出題内容は、語学学校主催のイベントについてのチラシ、遠足で参加するツアーについての案内文、ALT講師が書いたブログ記事、バーチャル遠足に関する学校新聞の記事など身近な話題を扱った英文から、時間の知覚やトウガラシなど辛い食べ物についての記事といった論理的文章まで多様な題材であった。第2問B以外のすべての大問で図、表、イラストが使用されており、複数の情報源から概要・要点を把握する力が求められた。英文の語数は、第1問~第3問はそれぞれ約180語~320語となっている。第4問は約640語、第5問は約960語、第6問Aは約610語、第6問Bは約750語であった。試験全体の総語数は昨年より少し増加し、約6,300語であった。

河合塾

 昨年の本試験と比べ、大問数、マーク数、大問ごとの配点に変化はなかったが、総語数が約200語増加した。第5問では物語文が昨年に続けて出題されたが、本文が約300語も増え、登場人物の区別や出来事の起きた順番の判断が複雑で、昨年より難しかった。第1問Bは3問ともすべてのツアーの内容に注意を払う必要があり、第3問Bの問2と問3は文章を丁寧に読まないと解けないので、苦戦した受験生も多かったと思われる。全体として、細部まで気を配って読む必要のある問題が増え、より精密な読解力が要求されたため、難易度は昨年より高かっただろう。今後は、共通テストの過去問だけでなく、センター試験の長文読解問題などを用いて、英文をより精密に読む練習が効果的である。

データネット

 さまざまな場面や状況に応じた題材が取り上げられた。文章量は増加したものの難易は昨年並。題材は昨年同様、日常的な文章や説明文などさまざまなものが扱われた。設問では出来事の順序を問う問題や、プレゼンテーションのスライドを完成させる問題などが出題され、昨年同様に多面的に情報を処理する力が求められた。難易は昨年並。

代々木ゼミナール

 例年通り、さまざまな場面設定の英文が出題された。英文の総語数は昨年から150語弱増加して約6,200語となった。素早く情報を読み取る力が問われている。個々の設問形式は変化があるものの、全体としては例年通り、多様で分量の多い英文が出題された。本文と設問および選択肢などをあわせた総語数は約6,200語で、過去2年の本試の約6,000語を上回った。分量の多い英文中から必要な情報を効率良く見つけ出す力が問われている。

英語・リスニング

東進

 出題傾向、出題内容とも変化なし。出題形式は昨年と同じ。大問6題からなる構成で、配点にも変化はなかった。第1問は短いセンテンスの読み上げを聞き取り,内容がもっとも近い選択肢を選ぶ問題で、第2問・第3問は短い対話を聞き取り、質問に対する答えを選ぶ問題。第1問~第3問には全体配点の約60%が与えられている。第1問Bと第2問は昨年同様、正しいイラストを選択する問題だが、第1問Bでは「扇風機の形・値段」、第2問では「封筒の色・大きさ」「レストランの平面図」などの情報をもとに、適切なイラストを選ぶ問題が出題されていた。読み上げ回数は第1問・第2問が2回読み、第3問~第6問は1回読みであった。

 イラストやグラフ、表が多数使用されており、単に英語を聞き取ることができればよい訳ではなく、目的に応じた思考力・判断力が問われる内容になっている。特に第4問Bと第6問Bは4人の話者が登場し、それぞれがどのような情報・意見を述べているかを正確に聞き取る必要がある。読み上げ語数は約1,570語で、昨年とほぼ同じだった。また、アメリカ人話者だけでなくイギリス人話者や、日本人と思われる非ネイティブ話者が含まれていた。

河合塾

 出題形式に大きな変更はなく、設問総数は昨年までと同じだった。読み上げ文、並びに印刷された質問・選択肢の総語数は昨年の本試験とほぼ同じだった。音声は全体を通して聴き取りやすかった。アメリカ人を中心にイギリス人、日本人と思われる読み手が起用されていた。第1問から第3問の形式は昨年と同じ。第4問Aでは一昨年出された4つのイラストを時系列に並べる問題と、講座スケジュールを完成させる問題が出された。第5問ではワークシートは簡素化されたが、選択肢を当てはめるのが難しくなった。第6問Aでは述べられた意見を選ぶ問題が出された。第6問Bでは昨年に続き人物を特定する問題が出された。音声を聴き取り、内容を理解する力と、選択肢や図表を素早く読み取る力など複数の技能を統合する力が求められた。

データネット

 昨年同様、場面に応じた聞き取りを要する実践的な英語力が問われた。昨年に続き、音声情報とイラストや図表などの視覚情報を組み合わせて答える問題が出題された。場面に応じた聞き取りを要する実践的な英語力が問われた。講義全体を理解する必要がある問題や、放送文からの言い換えに注意が必要な問題もみられたが、全体的に取り組みやすく、昨年よりやや易化。

代々木ゼミナール

 昨年同様、第3問から第6問は1回読みの出題であり、またイギリス英語などの読み上げも含まれた。全体の大問構成や読み上げの方式は昨年とほぼ同様であった。後半では専門的な内容や、複数人の発言内容の整理が必要な問題など、1回で聞き取って解答するにはやや難しい問題も含まれた。


《川端珠紀》

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