受験も人生も、成功のカギは「非認知スキル」にあり…灘中合格者日本一の浜学園が新カリキュラム開始

 灘中学校合格実績日本一の「浜学園」が、大手中学受験塾としては全国初の「非認知スキル教育プログラム」を導入する。浜学園学園長の松本茂氏が、「SDGsカリキュラム」を開発・提供するサマデイグループ/日本アクティブラーニング協会理事の青木唯有氏と、非認知スキルと中学入試突破に必要な力との相関、カリキュラムを通して子供たちが得られる力について対談した。

教育・受験 小学生
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浜学園学園長の松本茂氏
  • 浜学園学園長の松本茂氏
  • サマデイグループ/日本アクティブラーニング協会理事の青木唯有氏
  • 受験も人生も、成功のカギは「非認知スキル」にあり…灘中合格者日本一の浜学園が新カリキュラム開始
  • 解答を送ると、“円盤マン”からのメッセージが届く。このメッセージはAIによる評価で、非認知スキルの指標をもとに客観的に分析。個別にアドバイスをしてくれる
  • 解答を送ると、“円盤マン”からのメッセージが届く。このメッセージはAIによる評価で、非認知スキルの指標をもとに客観的に分析。個別にアドバイスをしてくれる
  • 解答は独自に開発された非認知スキル指標によって評価される
  • このトレーニングでは、AIが描いた絵画を題材にユニークな問いが出される
  • 総合型・学校推薦型選抜受験者の非認知スキルと合格率の相関を示したデータ。非認知スキルが高ければ高いほど合格率も上昇するという結果が出ている/サマデイ提供

 灘中学校合格実績日本一の「浜学園」が、大手中学受験塾としては全国初の「非認知スキル教育プログラム」を導入する。

 浜学園学園長の松本茂氏が、「SDGsカリキュラム」を開発・提供するサマデイグループ/日本アクティブラーニング協会理事の青木唯有氏と、非認知スキルと中学入試突破に必要な力との相関、カリキュラムを通して子供たちが得られる力について対談した。

受験も人生も、成功のカギは「非認知スキル」にあり

松本氏:前・開成学園校長の柳沢幸雄氏との対談では、進学塾である私ども浜学園が、非認知スキル教育を始めた背景について理解を深めていただく内容でした。ざっくりとした定義をすると、テストで測れる能力は認知スキル、それ以外のものが非認知スキルです。非認知スキルが認知スキルを伸ばすのに役立つことは学術的な研究でも明らかになっていますね。

青木氏:そのとおりです。実社会で幸せに豊かに生きていくためには、偏差値やIQといった認知スキル以上に、この非認知スキルが関係するといわれています。2020年に改定された学習指導要領にも、これまでの知識・技能という認知スキルに加えて、自ら課題を見付け、自ら学び、考え、判断して行動できる力、つまり非認知スキルを身に付けていく必要があると書かれています。

サマデイグループ/日本アクティブラーニング協会理事の青木唯有氏

松本氏:私どもに期待されているのは、お預かりしているお子さんたちを中学受験で志望校合格へ導くことです。今回のプログラムは、今、青木さんがおっしゃったように、合格した「後」の長い人生を幸せに生きてほしいという思いと、入試で測られる認知スキルを伸ばしたいという2つの思いから、導入することにしました。

 まず、入試という点から見ると、実は「非認知スキルが重要である」という認識は入試にも反映されていて、自分なりの考えやアイデアを求められる「正解のない」問題が増えてきています

青木氏:中学受験の少し先になりますが、すでに大学受験では大きな変化のうねりが見えつつあります。というのも、一般入試が主流だった保護者世代とは異なり、昨今の大学入試というのは、総合型選抜や学校推薦型選抜によって半数以上の生徒が夏から年内のうちに進学先を決めてしまうのです。

 このような入試では、自分のやりたいことや強みを志願書類にまとめたり、それを面接やプレゼンテーションで自分の言葉で伝えたりすることが求められます。ひと言でいえば、「あなたはどんな人ですか」という問いに、自分なりに答えられなければいけないわけです。何が好きで、何が得意なのか。どんなことに向いているのか。何がしたいのか。自分自身のことというのは、私たち大人でさえも、わかっているようでわかっていないものです。私は20年間にわたり、総合型選抜や学校推薦選抜に特化した大学入試の指導に携わってきましたが、多くの生徒に伴走してきて気付いたのは、自分のことをわかっている子は、自分から学びに向かっていけるということ。だから、大学に入学した後もどんどん伸びていくのです。

松本氏:たとえば東北大学は、面接や小論文といった受験生を多面的に評価する総合型選抜の入試を先駆的に取り入れてきましたが、それを現状の3割からいずれは100%に引き上げていくと表明していますね。2024年に東京医科歯科大学と合併して新たに「東京科学大学」となる東京工業大学(以下、東工大)の益一哉学長も、「入試の方法と卒業時の成績に相関関係はないことがわかっている。学生が卒業時に結果を出せるかどうかは、大学に入ってモチベーションをもって勉強したかに尽きる。その点、学びの志高く入学してくれる総合型選抜を用意していることは、東工大にとって大きな自信になっている」と仰っている。この言葉からも、成長の根源は非認知スキルにあることは明らかです。

青木氏:東北大学といえば、昨年、世界的に卓越した研究の展開が見込まれる国際卓越研究大学の認定候補に選定され、大きな話題になりました。東大・京大を差し置いて東北大学が候補に選ばれたのは、こうした非認知スキルの高い人材を集めようとする姿勢も、期待の下支えになっているのではないでしょうか。

 従来のようなペーパーテスト一辺倒ではなく、自分自身の適性やスキルを活かす、言い換えれば「非認知スキル入試」がこれからのメインストリームになってくる。現在小学生のお子さんたちが大学入試を迎えるころには、よりこの傾向は高まっていくと思います。

自分ならではの答えを導き出す「SDGsカリキュラム」

松本氏:先ほど、「自分のことをわかっている子は、自分から学びに向かっていける。だからどんどん伸びていく」と仰いました。

 では、「非認知スキル」を伸ばすため、「自分のことを知る」ためにはどんなことに取り組めば良いのか。ここからは具体的に教材の中身について、開発に携わられた青木さんからご説明いただけますか。

青木氏:「SDGsカリキュラム」という教材は、まさに非認知スキルを高めるためのトレーニングです。目の前に提示された問いや課題に対し、自分の考えを導き出すことによって自分の個性の源がわかるようになる。それが、自分のやりたいことや将来の発見につながるといった新しい学びのメソッドです。オンライン教材なので、パソコンやスマホを使ってどこからでも学ぶことができます。

 具体的には、1回のワークは次の3つのステップからできており、すべてのステップに取り組む時間は20分程度です。

<ワーク1回分の3ステップ>
1.円盤型の教材に提示される課題に答えていくインディビジュアルアンサートレーニング
2.絵画をもとに想像力や表現力を磨くギャラリートークトレーニング
3.英語耳を育てるイングリッシュトレーニング

1.インディビジュアルアンサートレーニング

 このトレーニングでは、円盤型の教材に提示される課題に答えていきます。こちらは課題の一例です。さまざまなテーマの問いに対して、自分なりの思考を導き出し、制限時間内で意見をまとめて言語化するというのがトレーニングの流れです。

 以下のサンプル課題は、たい焼きの製法を例に、「天然」「養殖」といった概念を通じて職業観などについての問いを投げかけています。扱うテーマは、こういった身近なものから、世界の諸問題、科学や歴史にまつわるものまで多岐にわたります。

 ユニークな特長は、解答データを送信すると、AIによる評価が届くところです。ひとりひとりの解答に対して、洞察力や多角的な視点、好奇心といった非認知スキルの指標をもとにAIが解答を客観的に分析し、さらに思考を深めるためのアドバイスを届けてくれることで、自己肯定感や学びへの意欲を引き出します。さらに、「あなたの洞察力を生かせば、ビジネスや社会学、経済学といった分野でも活躍できますよ!」といった具合に、子供の得意や長所をAIが見出してくれるので、新たな自己発見にもつながるのです。

解答を送ると、“円盤マン”からのメッセージが届く。このメッセージはAIによる評価で、非認知スキルの指標をもとに客観的に分析。個別にアドバイスをしてくれる
解答は独自に開発された非認知スキル指標によって評価される

2.ギャラリートークトレーニング

 ギャラリートークトレーニングは、美術館や博物館で展示された複数のアート作品を鑑賞しながら、自分なりに解釈・評価し、その考えを言語化していくことで、想像力や表現力などを鍛えていくトレーニングです。特に日本人は、日頃アートに触れる機会が少ないと言われていますが、様々な作品に向き合うことで、日常生活では体得しにくい感性を引き出すことができます。

このトレーニングでは、AIが描いた絵画を題材にユニークな問いが出される

3.イングリッシュトレーニング

 「SDGsカリキュラム」が提供する教材では、教養が深まるテーマを扱っています。こうしたテーマの内容を英語でも触れてみようというのがイングリッシュトレーニングです。日本語で取り組んだテーマと関連した内容をリスニングすることで、「この表現は英語ではこのキーワードになるんだ」といったインプットにつながります。耳からの情報というのは幼ければ幼いほど入りやすいと言われており、小学生から英語を聞き続けていくことで、中学・高校で本格的な英語学習に携わるときの土台を早いうちから築くことができます。

「SDGsカリキュラム」でなぜ非認知スキルが伸びるのか

松本氏:私もサンプル課題のたい焼き問題に挑戦してみましたが、かなり考えさせられました。ですが、むしろこれを小学生が取り組めば、大人が思い付かないような斬新な発想や面白い意見が続出するだろうなと感じました。この「SDGsカリキュラム」のどのようなところに「非認知スキル」を伸ばす要素があるのでしょうか。

青木氏:どの課題にも正解はありません。正解をたどっていくような従来型の学びとは全く違い、子供たちは向き合う問いを「自分ごと」としてとらえ、「もし自分だったら…?」と想像力を掻き立てられます。保護者からは「こんな難しい問いに、小学生が答えられるのでしょうか?」と聞かれるのですが、まだ発想が柔軟で先入観のない小学生時代こそ、未知の領域に対して主体的に考えるきっかけさえあれば、学びに向かう力といった非認知スキルは伸びていくのです。

松本氏:たい焼きの問題には、「職業観」といった難しい語彙が使われていますね。「天然」と「養殖」を対比しながら「職業」という観点で「定義」するという、問い自体が大人にも難解な文章ですが、これもトレーニングの一環なのでしょうか。

青木氏:ご指摘のとおり、一見難しい言葉や知識を散りばめているのもトレーニングの狙いのひとつです。この言葉ってどんな意味なんだろう、何を比較すれば良いのだろう、これは何に関連するテーマなのだろうといったさまざまな疑問を感じることが、学びに向かう大事な出発点です。学びに向かう力から、実際に調べたり、試行錯誤したりしながら、新しい知識や考え方を蓄積していく。そういう意味では、非認知スキルと認知スキルは表裏一体。しっかり両輪で鍛えていくと、どちらも最強になっていくのです。

松本氏:難しい言葉や知らなかった知識を学びに変えていくというのは、浜学園でも日頃の授業で大事にしているプロセスです。

 昨今の中学受験に顕著な傾向として、単に暗記したものをそのままアウトプットするのではなく、正解に至るまでの考え方が問われたり、知識や情報の活用が求められたりする問題が増えており、合否の分かれ目に直結するケースもあります。

 その点、「SDGsカリキュラム」では、問いで何を聞かれているのかを読み取り、限られた時間内に自分の考えをまとめるというトレーニングを重ねるので、入試で必要とされる思考力や読解力、表現力などにおいて強みを発揮するのは間違いないでしょう。言うまでもなく、トレーニングでは常にアウトプットをしますから、グループディスカッションや面接、作文などにおいても非常に効果的ですね。

「別解」が新しい発想を生み出し、可能性を広げる

青木氏:もうひとつ、円盤型教材やギャラリートークで自分の解答データを送信すると、他の人の解答も閲覧できるというのもユニークな特長です。そうやって、1つの問いに対し、いろいろなアプローチや観点が存在することに気づく経験自体がとても大事なのです。自分一人の頭の中で考えるだけでは限界があるけれど、多様な他者とアイデアを共有しあえば、新たなイノベーションが生まれるかもしれません。

松本氏:他の人の解答を見て面白かった意見などをピックアップし、コメントを残したりメモをしたりしておく機能もありますね。こういった自分なりの気づきを蓄積していく中で、思考を深めたり、語彙を増やしたり、表現力を磨いたりすることにつながっていくわけですね。

青木氏:この教材では、子供たちが他の人の解答に啓発されつつ、自分の見方や考え方を深ぼったり、可能性を広げたりする中で、その子がどんなことに問題意識をもっているのかや。それが自分の得意や長所とどう絡み合うのかということが導き出されてくるように感じます。実際に蓄積された解答をたどってみると、ある子供は環境問題に対して、また別の子供はジェンダー格差の問題に対してといった具合に、その子なりの興味・関心などが色濃く浮き上がってきます。さらに、AIによるフィードバックからも、その子のもつ観点や価値観、人柄や個性が感じられるのです。

松本氏:「SDGsカリキュラム」に継続して取り組めば、おのずと自己理解が深まって、「自分が何をやりたいのか」「どんなことが好きで、夢中になれるのか」という発見から、将来の道しるべが見つかるのではないかと期待が膨らみます。

「SDGsカリキュラム」でハングリー精神を

松本氏:非認知スキルの重要性は十分に理解できているものの、保護者にとっては依然として「学力」、つまり認知スキルの面は大いに気がかりなところだと思いますが、この教材と学力との相関はあるのでしょうか。

青木氏:我々は、学力と非認知スキルの相関について、東京大学と共同研究を行っています。実際に「SDGsカリキュラム」に取り組んでいるときの脳の活動領域を測定したところ、認知スキルだけでは活性化しなかった部分が、トレーニングを行うことで活性化するという結果が出ました。また、学力面においてもトレーニングを実施した層としなかった層では、前者の方が明らかにスコアを伸ばす結果となりました。

松本氏:それはとても励みなる結果ですね。この教材を通じて、「もっと知りたい」「深く学びたい」といった意欲が高まると、学びに向かう力がより強くなる。その結果として、勉強時間が増えたり、自分から積極的に調べたり考えたりする中で知識や理解が定着し、成績向上につながるという好循環が生まれるわけですね。

青木氏:まさに、スパイラル式で伸びていくイメージです。非認知スキルと認知スキルは対極にあるように見えますが、非認知スキルを伸ばすことによって確実に認知スキル、いわゆる学力も伸びていくことが実証されているのです。

総合型・学校推薦型選抜受験者の非認知スキルと合格率の相関を示したデータ。非認知スキルが高ければ高いほど合格率も上昇するという結果が出ている/サマデイ提供

松本氏:最近の子供たちを見ていると、現状に満足していて、ハングリー精神が育ちにくい、進路や夢を見つけられない子が多いことに課題を感じていました。こんな時代だからこそ、この教材に取り組むことで、子供たちの可能性や興味・関心に光を当て、学びへの意欲が引き出せたらいいですね。

青木氏:トレーニングはお子さん1人でもできますが、保護者の方もお子さんと同じ視点に立って取り組むことで対話も生まれ、物の見方や視野がぐっと広がります。

松本氏:非認知スキルを伸ばすためには、家庭での親子の対話やコミュニケーションがいちばんですね。中・高校生になると、親子で何かに取り組むといった機会はどうしても減ってしまいますから、小学生の今がチャンスです。受験のためだけでなく、お子さんの将来に向けて、ぜひ保護者の方も、お子さんと一緒に楽しく学んでいただけたらと思います。

カリキュラム修了後には、国連事務総長特別顧問としてSDGsを提唱・牽引するジェフリー・サックス博士による「Official Certificate(公式受講修了証)」発行権が得られ、国内外の大学入試の出願資料や留学先での自己証明、就職・転職時の経歴証明としても活用することができる

 対談後、松本氏は「人生には正解なんてないですよね。本当に自分が何をしたいのか、何ができるのか。どういうことを成し遂げたいか。子供自身が納得してやりきってほしい。それが私たち塾や保護者の方の願いですよね」とおっしゃっていた。「SDGsカリキュラム」は、スポンジのような吸収力をもつ子供たちにとって、柔軟な思考力、感性と好奇心といった非認知スキルを最大限に引き伸ばしてくれるだけではなく、その子らしい人生を生きるための先導役となってくれるに違いない。

新時代の社会で求められる非認知スキルを今、浜学園で身につける
非認知スキル教育プログラム(SDGsカリキュラム)
《吉野清美》

吉野清美

出版社、編集プロダクション勤務を経て、子育てとの両立を目指しフリーに。リセマムほかペット雑誌、不動産会報誌など幅広いジャンルで執筆中。受験や育児を通じて得る経験を記事に還元している。

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