7月下旬には、多くの学校で夏休みに入る。この期間はまとまった時間が得られ、息抜きとして機能しているが、一方で学校外で勉強をしなければならない時期でもある。学校から宿題も出されるし、受験生であれば「天王山」とも言われる重要な時期だ。
そんな中で東大生は、どんなふうに夏休みを過ごしていたのか。今回の記事では、東大生100名程度にアンケートをとった結果を共有したい。
夏休みの宿題はいつやるか
まず、夏休みの宿題に関してのアンケートでは、約半数の人が「早めに終わらせていた」と回答していた。宿題を早めに終わらせ、遊んだり、部活や他のイベントに精を出したりしていたといった回答が多く見られた。
一方で、「毎日コツコツ勉強していた」という人も3割ほど存在した。「毎日勉強に触れることがいいと思ったから」「早めに終わらせてしまうと夏休み勉強しなくなると思ったから」というコメントもあった。いずれにせよ、「溜めてしまって後からやっていた」という人は少数派だった。
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早めに終わらせていた | 49.4% |
毎日コツコツ勉強していた | 32.5% |
溜めてしまって後からやっていた | 18.1% |
夏休みはどこで勉強していたのか
続いて、夏休みの勉強場所に関するアンケートでは、意外な結果が出た。「家」と答える人は半分程度で、「自習室」「図書館」「カフェ」のような場所で勉強している人の割合がかなり多かったのだ。
一見すると家の方が集中できそうだが、東大生は家よりも他の場所で勉強することを選んでいる人が多い。家にいると、ついスマホに手が伸びたり、漫画を読んだりしてしまう。家以外の、人の目がある場所だと少し緊張感があるのか、勉強を継続しやすいのだろう。
だから、夏休みや冬休みなどの長期休みは、家ではない場所を選ぶ傾向があるようだ。ちなみに、家の中であってもリビングで勉強する人というのは同じ理由からだろう。
もうひとつ、他の場所で勉強する理由としてなるほどと思えたのは、「生活習慣のリズムを守るため」というものだ。日中は外出し、夜になると帰ってきて眠る。こういう習慣を持っていないと、とんでもない時間まで眠らず、昼過ぎになってようやく起きるなどという生活から抜け出せなくなってしまう。特に夏休みは、昼夜逆転をしてしまう人も少なくないのではないだろうか。
だからこそ、日中は外に出る習慣をつけておく。昼勉強して、夜はしっかり休む。そうするために、家ではなく、外に出て勉強することを習慣化するのだ。
さらに、「友達と外で勉強していた」という人も多かった。友達と一緒に勉強するとなると、必然的に外に出て勉強することになる。「結局、一番強制力が発生するのは人間関係だと思う」と述べていた東大生もいたが、これなら夏休みの昼夜逆転生活という悲劇から逃れやすいだろう。
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家 自室 | 32.5% |
家 リビング | 14.3% |
自習室(塾や学校) | 27% |
カフェ・ファミレスなど | 18% |
図書館(近隣の場所など) | 7.1% |
その他 | 1.1% |
毎日のモチベーションを維持する工夫
最後に、今回アンケートをとっていて、夏休みに勉強習慣を継続させる工夫として非常に面白かった事例を紹介しておきたい。
それは「1日1個のご褒美」だ。
今はスマホアプリのゲームでも、「ログインボーナス」がある。1日1回ゲームを起動するだけで、ご褒美が貰える。その感覚に慣れているからか、ある東大生は、「1日勉強をしたら、1つのご褒美を自分に与える」という形で勉強を習慣化させていた。「目標を達成できた」という日には、お気に入りの漫画作品を1日1巻ずつ買っていったそうだ。その漫画の続きが気になるので、次の日も頑張る。そうして夏休みの勉強習慣を継続できたということだった。
東大生にも、長い夏休みには勉強をサボりたい日だって当然あったはずだ。けれどこうして、自分なりにいろいろな工夫をしてモチベーションを維持し、前向きに乗り切っていたようだ。夏休みを前に、その過ごし方について参考にしてみてほしい。