本物のビジネスは、教室の外にある…大和大学 政治経済学部グローバルビジネス学科の挑戦

 大和大学政治経済学部グローバルビジネス学科はビジネスシーンで力を発揮する実用的な英語教育や、AI・データを使い企業の課題に挑む超実践的な独自カリキュラムを組んでいる。そんな超実践的な環境で、学生たちはどのように成長しているのだろうか。

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政治経済学部 グローバルビジネス学科の皆さん
  • 政治経済学部 グローバルビジネス学科の皆さん
  • 中岡義久教授(政治経済学部副学部長兼グローバルビジネス学科長)
  • 大久保美紅さん(3年)
  • 反田和成教授(政治経済学部 グローバルビジネス学科教授)
  • 教員と学生の距離の近さも魅力
  • 國廣拓夢さん(3年)
  • 沼田秀穂教授(政治経済学部 グローバルビジネス学科教授)
  • 教員と学生の距離の近さも魅力

 東大・京大に多数の合格者を輩出する、全国屈指の進学校・西大和学園が2014年に開学した大和大学。今回は、政治経済学部に新設され3年目を迎えたグローバルビジネス学科における学生たちの活躍にスポットをあてる。

 同学科はビジネスシーンで力を発揮する実用的な英語教育や、AI・データを使い企業の課題に挑む超実践的な独自カリキュラムを組んでいる。とりわけ注目は、アメリカ・アジアの2か国を全員が訪れ、現地で展開する海外企業の事業に挑む「ビジネス・ミッション」だ。そんな超実践的な環境で、学生たちはどのように成長しているのだろうか。

 政治経済学部副学部長兼グローバルビジネス学科長の中岡義久教授にビジネス・ミッションの目的を、また、メキシコで海外インターンシップをした國廣拓夢さん(3年)と沼田秀穂教授、タイで海外インターンシップをした大久保美紅さん(3年)と指導教官の反田和成教授にそれぞれの挑戦について聞いた。

シリコンバレーとアジアで鍛える「3つの武器」

--「ビジネス・ミッション」の目的を教えてください。

中岡教授:この学科では、

  • 世界で戦うための「コミュニケーション力」(言葉で伝える力)

  • ビジネスを導く「AI・データ分析力」(データやAIを使って考える力)

  • 本物のビジネスを動かす「実践力」(一歩踏み出して行動する力)

を、世界を動かす「3つの武器」と位置付け、授業とプロジェクトの両面から育てていきます。

 これらを同時に鍛える実践の場が、教室で得た知識を世界の現場で試す「ビジネス・ミッション」です。多様なプログラムの中でも、特に大きな挑戦となっているのが、正規カリキュラムである1年次の「シリコンバレー・ビジネス・ミッション」と、2年次「アジア・ビジネス・ミッション」です。アメリカでは、GAFAやスタンフォード大学などを訪問し、議論や指導を通じて世界最前線に触れることで、学生の常識や限界を打ち破ります。一方、アジアでは企業の課題解決に挑み、壁にぶつかりながら思考を深め、ビジネスに向きあう実践力を培います。

 この2段階の経験により、単なる海外体験にとどまらず、「学びを武器に現地のビジネスに貢献する」ことを目指します。こうしたミッションを通じて意欲を高めた学生たちは、「自分の武器を試したい」とさらに海外インターンへ挑戦していきます。

中岡義久教授(政治経済学部副学部長兼グローバルビジネス学科長)

--学生は挑戦を通じて、どのように成長していきますか。

中岡教授:メキシコで海外インターンに取り組んだ國廣さんは、現場での実践を重ねる中で、自ら課題解決につながる問いを立て、データに基づいた改善案を提案できるようになりました。大和大学では、学科として海外インターンの機会を紹介・支援していること、AI・データ分析などを体系的に学べる科目が揃っていること、インターン中も教員とオンラインでつながり、伴走を受けられることの3点が揃っています。事前に武器を磨き、実践中も支援し、帰国後は経験を言語化して次につなげる一貫した流れが、学生の成長につながっていると考えています。

メキシコの日系企業でSNSマーケティングを実践

國廣拓夢さんの挑戦

--國廣さんのビジネス・ミッションの概要を教えてください。

國廣さん:1年次のアメリカ、2年次のアジアでのビジネス・ミッションで学んだことを踏まえて、「もう一度海外へ飛び出し、自分のやりたいマーケティングを実践したい」と考えたことがインターンシップのきっかけです。 もともとITやマーケティングに興味があり、1年次には「Python3エンジニア認定基礎試験」にも合格して基礎を学んでいたため、それらの知識をリアルな現場で試してみたいという思いもありました。先生の協力を得ながらインターン先を探す中で、データ分析も深く実践できるSNSマーケティングに関心をもち、候補にあったベトナムとメキシコのうち、より挑戦できそうだと感じたメキシコを選びました。

 インターン先は首都メキシコシティの日系企業で、約2か月滞在しました。業務は現地の旅行・情報サイトにおける「記事作成」「SNS運営」「Google アナリティクス4(以下、GA)を使った分析と改善提案」です。特にGAは未経験だったため、沼田先生にメールで助言をいただきながら進めました。「どう進めるべきか」「この数字は何を意味するのか」をひとつずつ確認し、理解した内容をもとに自分なりの改善案を考えていきました。

國廣拓夢さん

--先生はどのようなサポートをされたのでしょうか。

沼田教授:私からのサポートは、インターン前に「こういう勉強をしておくと動きやすい」といった準備のアドバイスを行い、現地に行ってからは2~3日に1度、質問があるたびにやり取りしていました。質問が出てくるということは、「何をしたいか」「何が必要か」といった課題の本質を理解しているということでもあり、それは非常に重要な点だと思います。インターンでは、どうしても与えられた作業をこなすことが中心になりがちですが、國廣さんは現地でデータを分析し、改善案を考えるところまで踏み込めていました。そのやり取りを通じて、実践的でとても良いキャッチボールができたと感じています。

沼田秀穂教授(政治経済学部 グローバルビジネス学科教授)

言語・データ・実践力、現場で磨かれた3つの武器

--挑戦する前と現在で、ご自身に変化はありましたか。

國廣さん:3つの武器のうちコミュニケーション力でいうと、メキシコは公用語がスペイン語で英語を話せる人が少なく、最初はかなり苦労しました。それでも無料アプリで勉強したり、毎日単語を調べたりして、すぐに使っていった結果、2か月後には空港でスペイン語が自然に出てくるようになり、「完璧でなくても、自分から話しかけてみる」ことへの抵抗がなくなりました。

 データ分析力については試行錯誤の連続でしたが、現地の方のフィードバックを受けて、「数字を報告するレポート」から「データをもとに改善策まで提案するレポート」へと変えていきました。その結果、自分の提案が実際にサイトに反映されたことが、とても印象に残っています。

 また実践力の面では、なんでも挑戦しようという意識が身に付きました。十分にできなくてもまず動こうと考えるようになり、もともと緊張しやすかった自分が、人前で話したりイベントの司会を務めたりできるまで変わりました。こうした海外での経験を通じて自分を変えられたこともあり、大和大学のグローバルビジネス学科に入学して本当に良かったと感じています。

--先生は國廣さんの挑戦をどのように評価されていますか。

沼田教授:彼の場合、SNSやWebサイトの先にいる「見えない顧客」とのコミュニケーションに気付けたことが大きな成果だと思います。どの層に向けて、どのように記事を書くべきかを考え、データ分析でターゲットにあっているかを検証し、改善につなげる。そうしたPDCAを回す経験ができたのは非常に良かったですね。

教員と学生の距離の近さも魅力

--ありがとうございました。

学生の提案が、タイ高島屋の実店舗に

大久保美紅さんの挑戦

--大久保さんのビジネス・ミッションの概要を教えてください。

大久保さん:2年次のアジア・ビジネス・ミッションでは、学科の仲間20人とタイを訪れ、バンコク タイのサイアム高島屋さんに対してビジネスプランを提案しました。しかし、日本で4か月かけて準備したプランは受け入れられず、現地の実態とかけ離れた内容であることを痛感。顧客の声やデータをもとに、企画をゼロから作り直すことになりました。その後、現地で議論と修正を重ね、最終プレゼンではアニメカフェの開業プランを提案。この企画が評価され、今年の春休みには約1か月間のインターンに参加しました。

 インターンでは、このアニメカフェ企画を引き継ぎ、「どうすれば実際に立ち上げられるのか」を徹底的に検討。マーケティングから広報、売上管理まで、現地社員の方々と議論を重ね、試行錯誤の末に経営陣の意思決定を引き出すことができました。このカフェは今年7月、サイアム高島屋さんで実店舗として開店する予定です。

大久保美紅さん(3年)

--先生はどのようなサポートをされたのでしょうか。

大久保さん:日本で考えていたプランに実現性がないとわかり、どう現実的で収益性のある内容にするかを、先生にも一緒に考えていただきました。

反田教授:タイに行く前の準備段階では、高島屋さんからのリクエストが「集客」だったため、大久保さんたちはアニメカフェを含めて4つの案を提案しました。それらをタイでプレゼンした際、「アニメカフェがいちばん面白い、実現できたら良い」と声をかけていただきました。ただ現地では、「集客だけでなく、ビジネスとしての収益を考えてほしい」という要望もいただきました。アニメは肖像権など権利面の問題があり、商用利用には大きなコストがかかるため、その点は大きな課題だったと聞いています。

反田和成教授(政治経済学部 グローバルビジネス学科教授)

大久保さん:タイでもっとも多くのアニメの権利をもつ企業との交渉に私も参加し、権利元の方と一緒に高島屋さんの館内を回り、出店場所や期間を検討しました。高島屋さん側は短い期間を希望し、権利元は3か月程度のまとまった期間での展開を求めていましたが、調整を重ねた結果、最終的に3か月での出店にこぎつけることができました。本物のビジネスの現場で、どのように交渉すれば良いのかわからず、思うようにいかない場面もありました。その経験を通じて、やる気がわきました。

机上の理論から実ビジネスへ、挑戦の連鎖

--挑戦する前と現在で、ご自身に変化はありましたか。

大久保さん:自分がいちばん変わったのは、「もっと海外で挑戦したい」と思うようになったことです。インターン前日は怖くて泣いてしまいましたが、実際に行くと周囲に支えられ、自分たちの企画が動き出すのを実感できました。そのとき、これまでの努力が一気につながったと感じました。こうした挑戦ができたのも、アメリカとアジアのビジネス・ミッションがあったからこそです。

 大和大学を選んだ理由も、アメリカ・アジアのビジネス・ミッションに全員参加できる制度や、TOEICスコアに応じた費用支援、クラス制で先生方と近い距離で学べる環境に魅力を感じたからです。

--先生は大久保さんの挑戦をどのように評価されていますか。

反田教授:私は37年間総合商社に勤め、そのうち9割を海外で過ごしてきました。その経験から見ても、彼女の成長として大きいのは、社会に出てすぐ求められる「交渉」を体験できたことだと思います。大学では、コミュニケーションやディスカッションで意見を伝える機会はあっても、実際にネゴシエーションを行う場面はほとんどありません。海外の厳しい環境の中、自分の力で難しい課題を乗り越えたことで達成感、自信、充実感を得たことは、将来の成長につながると期待しています。さらに、グローバルビジネスでは英語力だけでなく、歴史や習慣、文化といった教養を修得することが欠かせません。今回のミッションが、そうした重要性に気付くきっかけになったのも良かったと思います。大久保さんを含め、教え子の中には大企業への勤務以外で、すでに起業して活躍している人も多いのですが、そうした人たちは発想力、行動力や社会への発信力が際立っています。正直うらやましく思うほど頼もしい存在です。

--グローバルビジネス学科はどういう人に勧めたいですか。

大久保さん:海外に少しでも興味がある人や、周りと関わるのが好きな人にはグローバルビジネス学科がお勧めです。

反田教授:日本の教育は、どうしても国内に目が向きがちだと感じています。その点、大和大学の学生は1年生、2年生のうちから海外に目を向ける機会があります。さらに、ただ海外に行くだけでなく、現地でビジネスを実践できる。チャレンジできる機会があるので、そうした経験を学びたい向学心にあふれた人にぜひ入学してもらいたいですね。

教員と学生の距離の近さも魅力

--ありがとうございました。最後に、受験生へのメッセージをお願いします。

國廣さん:海外に興味のある人が集まる学科なので、グローバルな視野をもってやりたいことがある学生が多く、そうした人たちと一緒に学べる環境は良い刺激になると思います。まだやりたいことがはっきりしていない人でも、周りの挑戦に触れながら、自分の興味を見つけていける場だと感じています。少人数で話しやすく、先生方との距離が近いのも魅力です。自分から海外に挑戦しようという行動力のある人が集まれば、お互いの経験を共有できる場にもなり、より充実した大学生活になるのではないかと思います。

沼田教授:この学科がある政治経済学部では何を学ぶのか、保護者や高校生に十分知られていない面があります。そのため、将来の目標が明確でない学生も多いのですが、入学後に自分の武器を身に付けられるのが特徴です。3つの武器を育む教育のもとで4年間学ぶことで、それぞれが自分の強みを見つけていきます。教員は少人数制の中で、ひとりひとりが自分の武器を見つけ、伸ばすことを支援しています。自分の武器が定まれば、それにあった進路も見えてきます。就職においても最初から範囲を狭めず、自分にあう道を見つけてほしいですね。

--ありがとうございました。


大和大学
グローバルビジネス学科

オープンキャンパス

 1年次のアメリカ、2年次のアジアでビジネス・ミッションを経験した学生たちは、その後も自ら海外のビジネス現場に飛び出し、実践を重ねている。身に付けた3つの武器ー世界で戦うための「コミュニケーション力」、ビジネスを導く「AI・データ分析力」、本物のビジネスを動かす「実践力」ーにさらに磨きをかけ、海外ビジネスを動かす経験を積んでいる。大和大学政治経済学部グローバルビジネス学科は、世界で挑戦したい若者に、「学び」と「実践」の両方の機会を確かに提供している。


《羽田美里》

羽田美里

執筆歴約20年。様々な媒体で旅行や住宅、金融など幅広く執筆してきましたが、現在は農業をメインに、時々教育について書いています。農も教育も国の基であり、携わる人々に心からの敬意と感謝を抱きつつ、人々の思いが伝わる記事を届けたいと思っています。趣味は保・小・中・高と15年目のPTAと、哲学対話。

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