ゆるやかな向上傾向…気になる子どもの体力・運動能力調査結果

 文部科学省実施の「新体力テスト」により、青少年の体力・運動能力は全体に横ばいまたは向上傾向に。また日常的な運動の頻度により、測定結果に大きな差異が生じている。

リサーチ 教育
表1 新体力テスト施行後(平成10~21年度)の体力・運動能力の推移
  • 表1 新体力テスト施行後(平成10~21年度)の体力・運動能力の推移
  • 表2 新体力テスト合計点の平成10~21年度における順位
  • 表3 年齢段階別の運動・スポーツの実施頻度と各テスト項目の状況
 文部科学省は10月10日、平成21(2009)年度体力・運動能力の調査結果を発表した。調査は昨年の5〜10月、全国の6歳から79歳の男女7万人を対象に「新体力テスト」を実施した。

 青少年(6〜19歳)では、握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、持久走(または往復持久走)、50m走、立ち幅とび、ハンドボール投げ(小学生はソフトボール投げ)の8種目にわたり記録を測定。その結果、基礎的運動能力(走・跳・投)は、新体力テストが開始されて以来12年間で、全体に横ばいまたは向上傾向にあることがわかった(表1)。また握力や柔軟性を含めた合計点では、16歳の男女がとも過去最高点を記録。前年度、前々年度を含めここ3年間に上位記録が集中している(表2)。

 また、日常的に運動・スポーツを行っている頻度と、新体力テストの合計点との関係をみると、6〜7歳では、運動の頻度による合計点の差は小さく、8歳ごろからは運動の頻度に応じて合計点も高くなる傾向がより顕著にあらわれている。小学生(11歳)、中学生(13歳)、高校生(16歳)で、「ほとんど毎日(週3日以上)運動する」男女を基準とした比較でみてみると、年齢が上がるにつれて運動頻度による合計点の差の開きが大きくなっていることがわかった(表3)。
《田崎 恭子》

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