日本漢字能力検定協会は12月10日、2010年の「今年の漢字」として「暑」を発表した。 今年の漢字とは、同協会が1995年から毎年実施している行事。同協会が設定した「漢字の日」である12月12日に1年を振り返り世相を反映する漢字一字を考えることで、漢字の持つ奥深い意味を再認識してもらおうというもの。今年は12日が休日にあたるため、10日の発表となった。 今回は全国から285,406人の応募があったという。もっとも応募数の多かった漢字「暑」の文字を、京都・清水寺の森清範貫主が大きく色紙に揮毫し披露した。色紙は福井県の越前和紙で、縦1.5メートル、横1.3メートルという巨大サイズ。 同協会によれば、「12月12日」は「いい字一字」と読み、毎年「いい字」を少なくとも「一字」は覚えてほしいという願いが込められているという。色紙は清水寺「奥の院」のご本尊・千手観世音菩薩に奉納され、「今年の漢字」に託された今年の世相が清められ、新年が明るい年になることを願うという。 「暑(ショ/あつい)」が選ばれた理由としては、記録的な猛暑日の連続による熱中症などの暑さ対策や、野菜価格の高騰が消費者生活を直撃したことなどがある。自然界では魚介類の不漁や、山で餌不足になった動物が人里に出没するなど、地球温暖化の警鐘を感じた夏でもあったとしている。