立命館大学では3月17日、シンポジウム「電子教科書の未来:ゲームニクスを応用した教育コンテンツの可能性」を開催する。 教育現場においても、紙の使用量による環境負荷とIT利用促進の観点からペーパレスの学習法として各種の情報端末の活用が求められており、その1つとしてニンテンドーDSやスマートフォンなどのタッチ機能を持つ端末も注目されている。 携帯型ゲーム機のソフトとしては多くの学習タイトルが発表されているものの、その品質や学習効果については十分に検証されておらず、教育現場や家庭からは学習を妨げる存在としてゲームそのものに対する批判もある。 同大学では、サイトウ・アキヒロ教授の提唱する「ゲームニクス」の研究成果を、テレビのリモコンやタッチパネルの操作画面の設計など応用領域へ活用する実績をあげてきた。さらに「ゲームニクス」を活かせる領域として、学習への動機付けや反復学習などによる基礎学力の定着といった教育現場のニーズに対する解決策を掲げ、一般的には学習とは一見相容れないと思われるテレビゲームが持つ「時間を忘れて続けたくなる」という特性を融合することで、より効果的で良質な教材の開発が可能になると考えているという。 同大学とベネッセコーポレーションは、立命館慶祥中学校・高等学校の協力を得て、2009年度より「ゲームのユーザーインタフェースのメカニズムを活用した学習コンテンツ」に関する産学共同研究を行ってきた。シンポジウムでは、予備調査から足かけ2年にわたる共同研究の成果を発表するとともに、携帯型ゲーム機やタッチパネル型の情報端末を利用したコンテンツの開発をめぐる可能性と問題点について参加者とともに考える。◆シンポジウム「電子教科書の未来:ゲームニクスを応用した教育コンテンツの可能性」日時:3月17日(木)14:00~17:00会場:立命館大学東京キャンパス参加費:無料(事前申込不要)主催:立命館大学アート・リサーチセンター 共催:立命館慶祥中学校・高等学校、立命館大学経営学部DML(Design Management Lab)協賛:日本デジタルゲーム学会(DiGRA JAPAN)【スケジュール】14:00〜14:15 イントロダクション 細井浩一(共同研究プロジェクト代表/立命館大学映像学部教授)14:15〜15:30 [第1部]立命館大学ベネッセ共同研究の概要と成果 大森雅之(ベネッセコーポレーション) サイトウ・アキヒロ(立命館大学映像学部教授) 八重樫文(立命館大学経営学部准教授)15:30〜15:40[第2部]ゲームニクス理論とその応用可能性「イノベーション教育への(ゲームニクス)応用」 山上俊彦(ACCESS CTO Office シニアスペシャリスト)「鼎談:ゲームニクス〜その可能性の中心」 サイトウ・アキヒロ、山上俊彦、細井浩一