【地震】怖い気持ちは命を守る大切な感情…日心臨「災害と子どもの心のケア」

 日本心理臨床学会・支援活動委員会は、東北地方太平洋沖地震の被災者への心のケア活動の一環として、ホームページに「東北地方太平洋沖地震と心のケア」に関する情報の掲載を開始した。

生活・健康 健康
日本心理臨床学会
  • 日本心理臨床学会
 日本心理臨床学会・支援活動委員会は、東北地方太平洋沖地震の被災者への心のケア活動の一環として、ホームページに「東北地方太平洋沖地震と心のケア」に関する情報の掲載を開始した。現在、「災害と子どもの心のケア」について紹介されており、「避難所での生活支援と心のケア」「支援者募集」「東北地方太平洋沖地震と心のケア活動支援伝言板」についても準備されている。

 「災害と子どもの心のケア」では、命をおびやかすような怖い体験からの回復には、「安心・絆・表現・チャレンジ」の体験が必要。大規模災害の直後は、生活支援と体のケアを中心に「安心と絆」の体験を深めることが必要であることが説明されている。

 災害から1~2週間には、避難所で生活している子どもたちには、“安全感・安心感が回復できるような関わり”をすることが大切。「家族と連絡が取れないときは、情報が得られるように寄り添う」「怖い気持ちは、命を守る大切な感情であることを伝える」「さまざまな心と体の変化は、誰にでも起こる当然な反応であることを伝える」「避難所でできる手伝いを子どもたちにも頼む」ことなどを紹介。特に「被災体験を聞き出そうとしたり、被災体験の絵を描かせようとしてはいけない」と説明している。

 災害から2週間~1か月にはボランティアとチームを組み“子ども遊び隊”など避難所巡回活動を開始、1か月~2か月には学校での子どもの心のケア活動を開始、災害から2か月~半年には心のケアの授業、災害から1年目が近付くにつれより辛い気持ちになることから、辛い体験に向き合う機会として、追悼の会を大切にすることなどを勧めている。

 中学1年生のときに阪神淡路大震災で被災し、中学3年生の姉を亡くし、現在は心理職にある植松秋さんからの、実体験にもとづいたメッセージも掲載されている。

 また、報道関係者に向け「被災した子どもたちに被災体験を語らせたり、絵に描かせることは、2次被害を与える」ことを説明。被災した子どもの利益にならない研究のためのアンケート調査の実施により、阪神淡路大震災や中国四川大震災では調査公害が多発したことも紹介されている。
《田村麻里子》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top