夫婦の完結出生児数1.96人…初めて2人を下回る

 厚生労働省に設置された政策研究機関である、国立社会保障・人口問題研究所は10月21日、「第14回出生動向基本調査(夫婦票)」の結果概要を公表した。

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各回調査における夫婦の完結出生児数(結婚持続期間15〜19年)
  • 各回調査における夫婦の完結出生児数(結婚持続期間15〜19年)
  • 調査別にみた、出生子ども数分布の推移(結婚持続期間15〜19年)
  • 調査別にみた、結婚持続期間別、平均理想子ども数と平均予定子ども数
  • 調査別にみた、平均理想子ども数と平均予定子ども数の推移
  • 結婚持続期間別にみた、平均理想子ども数と平均予定子ども数
  • 調査別にみた、平均理想子ども数と平均予定子ども数の推移(結婚持続期間0〜4年)
  • 妻の年齢別にみた、理想の子ども数を持たない理由
 厚生労働省に設置された政策研究機関である、国立社会保障・人口問題研究所は10月21日、「第14回出生動向基本調査(夫婦票)」の結果概要を公表した。

 同調査は、他の公的統計では把握できない「結婚」や「夫婦の出生力」の実状と背景を定期的に調査し、国の政策に必要な資料を得ることを目的に1940年から「出産力調査」として5年ごとに実施しているもの。1982年の第8回調査からは夫婦以外に独身者も調査対象とし、1992年からは「出生動向基本調査」に名称を変更して実施している。

 今回発表された第14回調査は、2010年6月に実施されたもの。全国の840地区に居住する妻の年齢が50歳未満の夫婦を対象に、調査票を配布し、7,847票の有効回答を得た(有効回収率86.7%)。今回の調査報告では、そのうち夫妻が初婚どうしの夫婦6,705組について集計した結果となっている。

 夫婦の最終的な出生子ども数とみなされる「完結出生児数」(結婚から15〜19年の期間の夫婦の平均出生子ども数)は1.96人となり、調査開始以来初めて2人を下回った。子どもの人数別にみた集計では「2人」が56.2%ともっとも多く、前回調査(56.0%)と同程度であったが、子どもがいない夫婦や、子ども1人の夫婦が前回に引き続き増加し、これらを合わせた「子ども2人未満」の夫婦は今回初めて2割を超えた。一方、「3人」「4人以上」とも前回より減少し、「子ども3人の夫婦」は初めて2割を下回った。

 結婚持続期間別に平均出生子ども数をみると、「0〜4年」「5〜9年」「10〜14年」「15〜19年」「20年以上」のすべての期間で前回調査より減少している。

 また理想的な子どもの数について訊いた「平均理想子ども数」は2.42人と、前回調査に引き続き低下し、調査開始以来もっとも低い水準となった。さらに夫婦が実際に持つつもりの子どもの数「平均予定子ども数」も2.07人と減少し、調査開始以来初めて2.1人を下回った。

 「予定子ども数」が「理想子ども数」を下回る理由として挙げられたのは、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」がもっとも多く、特に妻の年齢が30歳未満では83.3%とその傾向が顕著に見られた。
《田崎 恭子》

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