広尾学園、iPadで実験計画〜発表…ITリテラシー向上と知識の定着に効果

 広尾学園中学校高等学校は1月27日、生徒1人1台のiPad 2を活用した理科総合A(物理)実験の公開授業を実施。iPad 2で情報収集から発表までを行った。

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iPadを使った「重力加速度の測定」
  • iPadを使った「重力加速度の測定」
  • iPad 2で情報収集
  • キーボードを接続している生徒も
  • 配布されたプリント(表紙と中面)
  • 実験器具を選ぶ
  • アドバイスをする担任の木村教諭
  • 「自然落下」を記録タイマーで測定
  • 4人1グループに分かれて実験
 広尾学園中学校高等学校は1月27日、生徒1人1台のiPad 2を活用した理科総合A(物理)実験の公開授業を、3時間目(10時40分〜11時25分)、4時間目(11時35分〜12時20分)の2時間通しで、サイエンスラボにて実施した。

 授業は石田敦教諭(理科部長)と榎本祐介実験助手の指導で、2011年度に新設された医進・サイエンスコースの高校1年生を対象に行われた。このクラスでは、医学部、先端理・工学部を目指す男子26名・女子12名の計38名が学ぶ。

◆実験テーマは「重力加速度の測定」

 この日の実験テーマは「重力加速度の測定」で、目的は「この場所(教室または廊下)の重力加速度g[m/s2]を、なるべく高い精度で求めよ」というもの。配布されたプリントには、「計画」→「申請」→「実験・解析・休憩」→「発表」の流れと、簡単な注意事項が記されているだけだ。これまで重力加速度に関する学習はしてきたものの、測定についての説明は受けていないという。

◆iPad 2で情報収集から発表まで

 生徒は出席番号順に4名1グループに分かれ、まずはiPad 2で情報収集だ。続いて計画立案、申告を終え、必要な実験器具を揃えて実験を開始する。立案中には担任の木村健太教諭が、「何を測定するの?」「正しい言葉で表現しよう」などと声掛けをしていた。

 情報源もさまざまなら、実験方法もグループにより異なる。あるグループは鳴門教育大学の授業実践・授業開発研究ウェブ・ラーニングで「自然落下」を記録タイマーで測定する方法を調べ、実践していた。また別のグループは同じ「自然落下」をiPadアプリの連写機能で記録。天井に紐をつり下げて振り子で計測したり、板を用いて斜面を作り計測したりと皆真剣に取り組んでいた。

◆ITリテラシー向上と知識の定着

 榎本氏によると、情報源とするWebサイトに指定はなく、Web上のあらゆる情報から必要かつ正しい情報を得ることで「ITリテラシーを向上するメリットもある」のだそうだ。また、「従来の与えられ、やらされる実験ではなく、自ら調べ考える実験」で、知識の定着度が高まるとも説明する。なお、フィルタリングは設定していないが、アクセスログは学校側で管理しているという。

 測定が終わったら、次はデータの処理だ。ここでも生徒はiPad 2で計算方法を調べ、iPad用の表計算アプリ「Numbers」で処理をする。重力加速度9.8m/s2に限りなく近い値を算出しようと、皆真剣だ。納得の結果が得られず、方法を変えて追加実験を行うグループも見受けられた。

◆iPad 2+Apple TVで発表

 発表は、iPad 2をAirPlay経由でApple TVにつなぎ直し、「Numbers」の画面を教壇のホワイトボードに投影して行われた。「どんな実験を行ったのか」「得られたデータは」「うまく行かなかった場合はその理由」「より精度の高いデータを得るにはどうすればよいのか」などを、各グループ1分程度で発表し、授業を終えた。

 生徒の一人は、「iPadは、理科の実験以外にも、授業中にわからないことを調べたり、Google グループやGmailを使った情報交換にも活用しています」と言う。壁紙やアクセサリーは各自の好みによるが、「インストールされているアプリは共通」で学校での学習にのみ利用しているそうだ。

 広尾学園の医進・サイエンスコースでは、震災の影響で年度始めには間に合わなかったものの、2011年7月にiPad 2を導入した。学校の備品の位置づけで、現在は校内のみの利用となっているが、生徒は1人1台の専用iPad 2を活用し、グループ研究の情報共有や課題提出、連絡、スケジュール管理、リサーチなど、日常的に利用しているという。同校では旺文社「英単語ターゲット1900(5訂版)」のiPadアプリ版を利用した英語学習の実施も発表している。
《田村麻里子》

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