今世紀、人口が明治維新後並みに急減…国交省

 国土交通省は、「持続可能で活力ある国土・地域づくり」の概要を昨年11月に発表、同省内における新たな体制を築き、今年に入って具体的な推進内容を明らかにした。

生活・健康 その他
国内総人口数の推移(平安時代~現在~今世紀)
  • 国内総人口数の推移(平安時代~現在~今世紀)
  • 労働力は約半減(約40年後)
  • 東京と名古屋の一部地域を除き、人がいなくなる街や集落が大半
  • 膨大な社会インフラを維持、管理していけなくなるかもしれない
今世紀、人口が明治維新後並みに―国交省、国土持続可能性まとめ
 国土交通省は、「持続可能で活力ある国土・地域づくり」の概要を昨年11月に発表、同省内における新たな体制を築き、今年に入って具体的な推進内容を明らかにした。主な要因として、今世紀中に国内総人口が明治維新後並みに急減すると見込まれるためだ。

 世界人口が爆発的に増加する一方、日本人口は先進国の中でも急速な減少の過程に入っている。同省がまとめた平安時代ごろからの推移によると、明治維新を境に急増、1900年~2000年の100年間で約3倍になっていることがわかるほか、2000~2100年の100年間に再び明治時代後半の人口まで急速に収束すると予測する。このグラフは、日本人の増加傾向そのものが、バブルを象徴しているかのようだ。これに伴い、労働力不足も深刻になる。15~64歳の生産年齢人口は、今後40年以内に半数程度まで減少するようだ。

 地域ごとの過疎化も、いよいよ現実となる。人口減少率は全国約25.5%となっているが、今後40年間で人がいなくなる地域が21.6%(100%減少)、半数以上減少する地域が7割近くを占めている。増加傾向にある地域は首都圏の一部(東京・川崎の多摩地域一帯と東京湾周辺、残りは局所的)および名古屋圏(豊田市周辺)の僅か1.9%のみ、大都市圏であっても、これらの定点以外は減少する見込み。

 高齢化について、人口比率の面はもとより、社会インフラの老朽化も懸念材料。高度成長期に相次いで整備した道路や鉄道などの半数以上が20年以内に耐用年数を迎え、維持する場合は現在の2倍以上に管理費が膨れ上がるという。地域によっては、広範囲に廃墟化する可能性も示唆する。

 これらの深刻な状況を受け、同省の「持続可能で活力ある国土・地域づくり」では、8つの政策と4つの価値評価を重点項目として掲げている。厚生労働省をはじめとして関係各省と連携を図り、国家戦略として今後盛り込んでいく考えだ。

【追記】30日、厚生労働省、国立社会保障・人口問題研究所から今後50年間にわたる推計人口を公表。本資料同様、8,000万人を割ると推定する。
《クレメンティア・コモンズ》

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