「文低理高」鮮明に…河合塾が国公立大の志願状況を分析

 河合塾は2月22日、同社が運営する大学入試情報サイト「Kei-Net」の大学入試情報 入試・教育トピックスにおいて、今年度の国公立大志願状況を分析・解説した資料を公開した。

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国公立大志願状況
  • 国公立大志願状況
  • 国公立大 前期志願者数と志願倍率推移
  • 前期志願者に対する後期志願者の割合
  • 国立難関10大学の志願状況
  • 国公立大(前期日程)学部系統別志願状況
 河合塾は2月22日、同社が運営する大学入試情報サイト「Kei-Net」の大学入試情報 入試・教育トピックスにおいて、今年度の国公立大志願状況を分析・解説した資料を公開した。

 文部科学省は2月17日に国公立大の確定志願者数の発表を行った。同資料では、発表された国公立大の出願状況をもとに、全体の概況や難関大、学部系統別の動向についてまとめている。

 国公立大一般選抜の志願者数は、前年から9,380人減少の494,813人(前年比98%)であった。募集人員に対する志願倍率は前年の5.01倍から0.10ポイント減少し4.91倍となっている。

 日程別に見ると、国公立大入試の中心である前期日程の志願者数は、496人減と微減に留まった。一方、後期日程は7,244人減と大幅に減少した。志願者の減少は、難関国立大の一部で後期日程が廃止された影響が大きいとしている。

 また、前期志願者数を100としたときの、後期志願者数の割合の推移のグラフをみると、後期廃止が本格化した2007年度以降、その率は低下傾向を示しており、今年度は75%となった。

 国立大と公立大に分けて見ると、公立大での志願者減少が目立っており、昨年および一昨年の入試では、公立大の志願者数は大きく増加した。公立大には人気の医療系の単科大が多いことや、国立大と比べ少数教科で受験可能な大学が多く私立大型生の併願先として考えられたことも要因と分析している。

 前期日程の旧帝大を中心とした難関10大学の志願状況をみると、難関10大学志願者数は445人減(前年比99%)となった。センター試験の平均点が上昇した年は、これら難関大の志願者は増加が目立つところだが、今春は落ち着いた志願動向となっている。大学別に見ても、志願者の増加は東京大、東京工業大、九州大の3大学に留まっている。

 東京大は前年比102%と志願者が増加した。理科一類が前年比107%、理科二類が同110%と大幅に増加したのが特徴で、今年の理系人気を象徴している。逆に文科類は、文科類全体で前年比97%と減少しており、理科類とは対照的な動きを示した。昨年志願者が大幅増となった文科一類が前年並みの志願者を集めたものの、文科二類、文科三類は志願者が減少し、過去10年でもっとも志願倍率が低くなった。

 学部系統別の動向をみると、系統の人気は、昨春入試と同様に文低理高が鮮明となっている。「法・政治」「経済・経営・商」学系といった社会科学系で志願者が減少する一方、「理」「工」「農」「医・歯・薬・保健」の理系各系統は志願者が増加している。近年志願者の増加が続いた「教育-教員養成課程」は今年も安定した人気を示しており、「医療系」を含めた資格系統の人気の高さが今春入試においてもうかがえるとしている。

 資料では、このほか系統別の志願状況についてもそれぞれ前年との比較を掲載している。
《前田 有香》

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