トレンド総研は3月21日、海外ボランティアを経験した男女を対象に行った「海外ボランティアに関する実態調査」の結果を公開した。 同調査は、1カ月以上の海外ボランティア経験のある20歳〜49歳の男女310名を対象に、インターネットで実施。調査期間は2月28日〜3月1日。 海外ボランティアを経験した期間は、「1カ月以上〜3カ月未満」が42.3%ともっとも多く、次いで「1年以上〜」が21.9%と続いている。 海外ボランティアに参加した理由としては、「視野を広げたかった」が61.9%ともっとも多く、次に「自分が人として成長したかった」(61.3%)、「困っている人の役に立ちたかった」(45.2%)と続いた。そのほか「東日本大震災の時に海外の人の協力を見たので」(38歳・女性)、「東北の震災をきっかけに」(47歳・女性)という回答もみられた。 参加したボランティアプログラムの実施団体は、「NPO・NGO」が29.0%ともっとも多く、次いで「JICAの青年海外協力隊・シニア海外ボランティア」と「大学のボランティアセンター」がともに20.0%となった。 「海外ボランティアを経験した事で身に付いたと感じる能力」を聞いた質問では、「コミュニケーション能力」(75.5%)、「異文化適応能力」(74.5%)、「語学能力」(53.2%)、「忍耐力」(42.6%)などが上位となった。 そのほかの意見としては、「既成概念がとれてライフスタイルが変わった」(37歳・女性)、「想像力や応用力といったイマジネーション能力」(27歳・女性)、「専門的知識」(42歳・男性)のように、仕事面で役立つ能力についての意見や、「人を育てる力」(43歳・女性)、「周囲をやる気にさせる力」(35歳・女性)、「相手を思いやる心」(42歳・男性)を身に付けることができたという声もあった。 「海外ボランティアの経験は就職(転職)活動で役に立ちましたか?」という質問で、「役に立った」と回答したのは72.3%。また、どのように役に立ったかという質問では、「視野の広い人間として見てもらえた」(28歳・女性)、「旅行では味わえない体験を語れた。自分の行動力をアピールするための理由としても話すことができた。内定をいただいた会社もいくつかある」(28歳・女性)、「サービス業のため、人のために尽くす事ができるという事をアピールできた」(26歳・女性)など、経験が帰国後の就職に活かされているという意見が挙がった。 また、「海外ボランティアで得た経験がその後の仕事に活かされていると思いますか?」という質問に対しては、75.4%の人が「活かされている」と回答。その理由としては、「言葉もろくに通じない環境の中で一つのことに皆が協力し助け合えたことが大きな自信となった。トラブルが起こってもこれ位大丈夫と思えるようになった」(33歳・女性)、「異国の地で孤独に耐えながら、周りと協調して頑張る達成感を味わえたおかげで、何事も投げ出さない力がついた」(27歳・女性)という回答が寄せられた。 「海外ボランティアの経験は人間的な成長につながりましたか?」という質問では、94.8%の人が「そう思う」と回答した。具体的には、「他人とのコミュニケーションで、意見の相違と人格の相違を混同しなくなり、議論から口論になることがなくなった」(39歳・男性)、「自分自身がいろいろな人の助けを得ていると感じることができた」(44歳・女性)などの声が挙がった。 そのほかには、「海外の人々の現状を知ることで自分が社会に貢献できることは何なのか日々考えるようになった」(24歳・男性)、「世界の状況を知ることにより、日本という国をとらえなおすことができた。日本の弱点が分かったし、より好きになった」(32歳・男性)などの意見もあった。