高校生の食事情、お昼は「弁当を親に作ってもらう」が約9割と大幅増

 農林中央金庫は4月27日、首都圏の高校生の男女400名(男女各200名)を対象に、現代高校生の食事や“食"にかかわる意識と実態を探ることを目的に実施した「第2回 現代高校生の食生活、意識と実態調査」についての調査結果を発表した。

生活・健康
家で週に何回くらい「朝ごはん」を食べているか
  • 家で週に何回くらい「朝ごはん」を食べているか
  • 誰と一緒に朝ごはんを食べることが多いか
  • 朝ごはんをひとりで食べる理由
  • ふだん、朝ごはんに食べているもの
  • 普段、学校の昼食をどのように用意したり購入したりしているか
  • 学校の昼食時によく食べるもの
  • 家で食事の時にしていること
  • 食事を残すことがあるか
 農林中央金庫は4月27日、首都圏の高校生の男女400名(男女各200名)を対象に、現代高校生の食事や“食”にかかわる意識と実態を探ることを目的に実施した「第2回 現代高校生の食生活、意識と実態調査」についての調査結果を発表した(調査期間:2012年3月19日〜3月30日)。

 調査結果をまとめたレポートでは、2005年12月にほぼ同じ条件で実施した第1回「現代高校生の食生活、家族で育む『食』」(2006年3月発表)とも比較しながら、この6年間に、高校生の意識がどのように変化したかについても探っている。前回調査した2005年末は、まだ「孤食、飽食」の時代の名残が色濃く残っていた。しかし、その後、世界同時不況や東日本大震災、タイの洪水など、世界各地でさまざまな時間が起き、その影響もあってか、6年前に比べて、高校生への「食」への意識には明らかに有意な向上の傾向が読み取れたという。以下、調査レポートより主な部分を抜粋して紹介していく。

 高校生の食事事情については、1週間に家で「朝ごはん」を食べる回数は、「毎日」がほぼ7割強(72.5%)を占め、前回の68.8%よりやや増えている。平均も週に「5.9回」で、大多数がほぼ毎日食べている。

 一緒に食べる相手は、「きょうだい」(47.9%)が半数近くで最も多く、次いで「ひとりで」(44.7%)も半数近くを占める。ひとりで食べる理由は、「家を出るのが家族より早いから」(51.5%)が半数、次いで「家を出るのが家族より遅いから」(28.1%)が3割弱と、家族と生活時間が違うことが主な理由だった。

 朝ごはんの主食は「パン」(73.5%)が「ごはん」(67.4%)よりもやや多く、全体でみれば、“朝はパン食”という傾向は前回調査と変わりないが、「ごはん」を食べる高校生は前回の51.0%に比べて増えている。とくに男子は前回の51.5%から72.0%と大幅に増え、「パン」(69.2%)を上回っている。また、女子も前回の46.4%から63.0%と15ポイント以上増えている。

 学校での昼食について尋ねた設問では、「弁当を親に作ってもらう」(88.8%)が9割近くと多数派で、前回調査の65.5%に比べて大きく増加した点が目を引く。次いで「コンビニなど校外の店で買う」(38.5%)も、前回調査の29.0%より大きく伸びている。

 また、弁当派が増えたことを反映し、メニューも、「ごはんとおかず」(91.3%)が9割を超え、前回調査の67.9%より20ポイント以上増えた。それに対し、「カップラーメン・スープ」(17.5%→5.3%)などは大きく減少した。

 高校生の食習慣について、家庭で食事中にしていることは、「家族と話をする」(85.0%)、「テレビを見る」(84.3%)が8割台と多く、食事中は家族団らんの時間としている人が多いことがうかがえる。「家族と話をする」は、前回調査の85.0%に比べ15ポイントも増え、とくに女子では9割に達している。一方、男子の「だまって食べているだけ」は、前回の21.5%から11.5%と減少した点などからも、家族のコミュニケーションを大切にする傾向が明らかとなっている。

 食事を残すことがあるかと聞くと、全体の6割が「残すことはない」(60.8%)と答えた。食事を残すことについて、「もったいない」と答えた人は73.5%で、前回調査の37.0%から大幅に増え、また、「作ってくれた人に悪い」も、34.3%から59.0%と、“罪悪感を抱く”派が多くなっている。

 一方、「食べきれない時は仕方がない」(43.0%→27.5%)、「きらいなものの時は仕方がない」(18.0%→13.8%)など“仕方がない”派、「特に何も感じない」(18.0%→2.3%)は大きく減り、残すことへの罪悪感を覚える割合は非常に高くなっている。

 家で食事の仕度をしたり手伝ったりする人は、ほぼ8割(79.3%)に達している。その頻度は、「週に2〜3回」(18.3%)が一番多く、平均は週に「2.4回」だった。前回、「全く行わない」は約4割(39.5%)だったが、今回は2割(20.8%)と減り、とりわけ、男子では「全く行わない」(62.0%→29.5%)と半減。女子も(17.0%→12.0%)と減った。それに対し、「毎日」手伝う人は前回の5.8%から大幅に増えている。

 高校生の食に関する意識について、関心のあることについて訊ねた質問では、「料理の作り方」(61.8%)がトップで、男女ともに前回調査の36.3%から大幅に増加した(男子51.1%、女子72.0%)。ほかに、前回と比べた顕著な傾向としては、「おいしい食品・店」(21.8%→42.3%)が20ポイント以上伸びている一方で、「特にない」(38.5%→11.3%)は大幅に減っている。前回は男子の1位が「特にない」(55.0%)、女子の1位が「カロリー・ダイエット」(50.0%)だったことをふまえれば、高校生の食への意識が6年で劇的に変化した様子がうかがえる結果となった。
《編集部》

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