名古屋大学と富士通は3日、岡山県警察、警察庁中国管区警察局岡山県情報通信部、中国銀行の協力のもと、岡山県で、一般家庭を対象に、「振り込め詐欺誘引通話検出技術」の実証実験を開始したことを発表した。実環境下での動作確認は世界初とのこと。 名古屋大学と富士通は、音声の調子に着目する「過信状態推定技術」および振り込め詐欺特有のキーワード検出技術を用いた「振り込め詐欺誘引通話検出技術」を開発している(3月発表済み)。模擬通話での検出精度が一定の水準に達したことから、今回、実証実験を行うこととなった。 実験では、岡山県に居住し、固定電話を使用しているモニター宅延べ100人以上に検出機器を設置し、通話を分析。モニター宅で振り込め詐欺が疑われる通話を検出すると、まず、モニター本人に合成音声で警告。次いでモニター宅の親族、および、警察、銀行と関係機関にアラームメールが送信される。 アラームメールを受信すると、たとえば警察が訪問するなど、各機関がそれぞれの対処を行う予定だ。富士通と名大は、実験を通じて、精度向上(検出率の向上、誤検出の抑止)を図ると同時に、社会システム(親族、警察、銀行による抑止体制)との連携を検討する計画だとしている。