大学入試センター試験の「自己採点集計」として、大手予備校などが各々サービスを提供している。このサービスをどのように活用すればよいのか、東大をはじめとした難関大学や医学部受験生を1,000人以上指導し、東大家庭教師シリーズなどの著書をもつ吉永賢一氏に聞いた。◆代表的な「自己採点集計サービス・河合塾:センター・リサーチ・代々木ゼミナール:センターリサーチ・ベネッセ・駿台:データネット・東進:合否判定システム−−どの予備校のサービスがお勧めですか? 登録すべきサービスは、(大手サービス)全部です。なぜなら、ほとんどの場合無料ですし、それぞれ結果が違うことも多いからです。−−結果の見方について、注意すべき点があれば教えてください。 複数のサービスを使用した場合、「(それぞれを比較して)良い判定を信じる」ようなことは、やめましょう。複数の結果を並べて、「どれくらいのリスクがあるのか」を感じようとすることです。これは、自分自身の合格可能性を見積もるということです。 リスクの量を見積もる際には、センターリサーチの結果だけではなく、これまでの模試結果や、過去問演習の結果も参考になるはずです。 あとは、自分はどれくらいのリスクを取るのかを考えて、決断しましょう。−−リスクを取るとはどういうことですか? 「今年絶対に合格したい」のか、「50%くらいのリスクであれば挑戦したい」のか、「足切りにならない可能性があるなら出願したい」のか、どの程度の安全性を求めるかです。 どの程度のリスクを取っていくのか、自分自身の希望と、リサーチの結果を照らし合わせながら考え、家族とも話し合って、どうするかを決断しましょう。--実力が発揮できなかった場合のアドバイスをお願いします。 それまでのセンター型の演習や、模試の結果に比べ、大きく低い点を取る場合があります。そのような場合、まず、ショックを受けると思います。 事前に、獲得点数ごとの方針を設定していた場合には、基本的には、それに淡々と従いましょう。今落ち込んでいる自分よりも、過去の理性的な自分の方が、適切な判断をしているだろうからです。 もし、事前に設定していなかった場合は、これから、考える必要があります。ですので、「ショックを受けながらも、理性的に考える」練習をしようと思って、方針を考えていきます。落ち込むし、苦しいと思いますが、そのような中でも、理性的な判断を行おうとするわけです。 その際には、「〜すれば、〜のようになるだろう」のように、目の前にある選択肢と、それが将来もたらすであろう結果を予測すると、やりやすくなります。「落ち込みを何とかしてから」とやっていると、日程が迫ってきて、ますます焦り、さらに判断が難しくなってしまいます。 「落ち込みながら、理性的に判断」し、「その方針に従って、日々の学習等を進めていく」ことをやってください。落ち込みの感情をじっくりと味わうのは、一連の入試が終了してからでよいのです。