「未来の学校づくりに関する調査研究」を発表…すべての子どもが才能を発揮できる教育を

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未来の学校づくりに関する調査研究
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  • 国立教育政策研究所
 国立教育政策研究所は4月12日、「未来の学校づくりに関する調査研究」報告書をまとめ、発表した。研究では、すべての子どもの中にある才能をどうやって見つけて伸ばすか、増加する個別に対応すべき課題を抱える子どもたちの才能を伸ばす場として「学校」の役割を広げていけると教育の力を示した。

 未来の学校づくりにかかわる、将来の変化は人口の減少とテクノロジーの進展である。国土交通省の調査によると、わが国の人口は、2004年をピークに、今後100年で100年前の明治時代後半の水準に戻って行くと予測されている。また、少子化にも伴い、学ぶ人自体が減少する傾向になる。また、現在インターネット普及率は79.1%(2012年)にのぼり、情報コミュニケーションテクノロジー(ICT)の発展は大きい。今後は学校という場や時間割を超えて、また、学校が規定する年限を超えて、学ぶことが可能な環境になっていくという。

 そういった、「個」が確立するようになる学びの場で、力を発揮できる可能性を持つケースもある。現在、学習障害 (LD)、注意欠陥多動性障害 (ADHD)、自閉症、アスペルガー症候群といった、個別に支援を必要とする子どもたち、さらには不登校などで、学びの場や機会を失ってしまった子どもたちだ。

 文部科学省調査によれば、「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒」は、小学校7.7%、中学校4.0%であり、低学年ほど多い結果となっている。また、「重い精神疾患がなく、自宅以外での生活の場が6 か月以上失われている状態」と定義される、いわゆる「ひきこもり」である若者の数は、推定70万人とされる。

 日本の学校は、同じ学年には同じ年齢、そして誰もが同じところからスタートして同じところで終わる標準カリキュラムで学ぶ。アメリカでは、1993年の連邦教育省の報告『国家の卓越』で、「優れた才能のある青少年は、知的、創造的、芸術的分野で高度な遂行能力を示したり、並外れたリーダーシップ能力を持っていたり、特定の学問分野で優れていたりする。彼らには、自分たちの能力を最大限に伸長させるために、学校では通常提供されない指導や活動が必要である。」と主張して、1990年代から国の研究機関が子どもたちの才能を伸ばすにはどうすればよいかを研究してきた。

 現在では、「才能のある子を…」ということでなく、「すべての子どもの中にある才能をどうやって見つけて伸ばすか」というコンセプトでさまざまな研究や実践が行われている。「すべての人の才能」を対象としたことによって、才能教育の活動が、学校教育の中でも受け入れられるようになったという。

 日本では、才能教育は、特別な子どもたちに対する支援ということで、特別支援教育の中に位置づけられている。理科や数学には特別な才能を示すが、文章や言葉で表現するのは苦手。また、そうした不得意なことが、何かのコンプレックスとなって才能を発揮することの妨げとなってしまう子どもたちも少なくないという。すべての人の中にある才能を伸ばして生かすことは、21世紀の社会が求める人材を生み出すことにつながるのではないかと締めくくっている。
《田邊良恵》

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