高校生と保護者に聞く歯の矯正治療、歯並びの変化が子どものモチベーション

 子どもの歯並びは気になるが、矯正治療に伴う負担、治療期間、治療費などを理由に治療をためらう保護者も多い。子どもの矯正治療に踏み切ったきっかけなど、17歳の子どもを治療に通わせる山口さん(仮名)と、患者である子ども、治療を担当する矯正歯科医に話を聞いた。

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矯正治療患者の保護者と本郷さくら矯正歯科院長の矯正歯科医、尾島賢治先生
  • 矯正治療患者の保護者と本郷さくら矯正歯科院長の矯正歯科医、尾島賢治先生
  • 矯正治療患者の保護者と本郷さくら矯正歯科院長の矯正歯科医、尾島賢治先生
  • 本郷さくら矯正歯科
  • 透明マウスピース「インビザライン」
  • 透明マウスピース「インビザライン」を着けた状態
 約2年もの期間、患者自身、ご家族、そしてクリニックが治療のために力を合わせる過程は、患者自身が「がんばったからできた」という達成感を得ることに繋がります。家族は、「矯正をがんばれたのだからこれもできるよ」と励ますこともできますし、教育上の効果もあると考えています。

 インビザラインを使ったマウスピース矯正は、患者自身のモチベーション、家族のサポート、クリニックの応援の3つが揃うことが必要です。言い換えれば、患者自身、家族、クリニックがひとつのチームとして治療していると思っています。ですから、患者自身とご家族のモチベーションを維持するためのアプローチがクリニックには求められており、治療を続けることが更なるモチベーションの向上に繋がるようクリニックのみんなで応援しています。

--実際に治療を始めて、辛いことや面倒なことはありませんか。

子ども:食事と歯磨きの時以外はマウスピースを着けていますが、辛いことや面倒なことはありません。学校でも、友達の前でマウスピースを外しますし、食べ終わって歯を磨いたらすぐに着けています。

 新しいマウスピースに付け替えた日の朝は少し痛みがありますが、お昼頃には痛みも気にならなくなくなりますし、勉強への影響も感じません。それよりも、歯が動いて歯並びがどんどん良くなっていることが実感できることを嬉しく感じています。

母親:娘の写真を撮る時、これまでは口元を見せたくないという感じがありました。今ではそういった苦手意識がなくなり、カメラの前でも自信を持って自然に笑えているということを親として嬉しく思っています。既に今の時点で、「もうこれで完成かな」という思える程は並びがきれいになりました。最初の段階で先生が、ハの字になっていた前歯を治してくださり、それだけでも見た目が大きく変わりました。一番目に付くところなので、そこを揃えていただけたこと、そしてその変化が娘のモチベーションに繋がったことが喜びです。

尾島先生:矯正治療には開始をする時期でさまざまなステージがあり、乳歯列期や混合歯列期から矯正歯科医に定期的に歯並びのチェックをしてもらうことが重要です。早期に矯正治療を開始しておくことで、将来抜歯を回避することができる可能性も高まります。

 こちらのお子様のインビザライン矯正治療では前歯が前方に突出していますが、抜歯をする選択ではなく、奥歯の位置を後方に移動させて正しい位置に矯正移動させます。その後、小臼歯、犬歯と後方に移動させて最後に前に出ている前歯を内側に移動させて歯並びを整えるのです。「大臼歯の遠心移動」と呼ぶこの矯正治療方法には、マウスピースを使用したインビザライン矯正がとても効果的です。

 ただ、山口さんの場合は、ハの字の前歯の部分の治療も並行して行いました。目に見える部分を治療することで患者のモチベーションを高めることは、私の仕事のひとつです。前歯は今後もっと引きますし、これからも歯はどんどん動いていきますので、楽しみにしてください。

 インビザライン矯正治療の先進国である欧米では装置を取り外せるもっとも虫歯リスクの少ない矯正治療として10代のお子様を持つ保護者の間でもっとも人気の高い矯正治療方法のひとつとなっています。

--ありがとうございました。

 現役高校生である山口さんの子どもは、過去のマウスピースをすべて残しているという。マウスピースの変化を見ることや、その過程において歯並びがよくなっていくことを鏡で確認することを楽しみのひとつとしているようだ。尾島先生は矯正治療の専門医だが、患者のモチベーションを維持し、家族のサポートを促すファシリテーターでもある。矯正治療を終えた患者が得る達成感は、歯並びだけでなく、今後のさまざまな場面において彼女の自信となるだろう。
《柏木由美子》

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