自転車の安全利用にはマナー教育・啓蒙活動・自転車保険が必要…ホダカ大宅氏

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ホダカのブランドマネージャー大宅宏幸氏
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 自転車の運転に関する道路交通法の改定など、自転車利用者を取り巻く環境が変化している。子どもの自転車事故に伴う親の賠償責任が高額化していることもあり、自転車を安全に利用する上でのマナーの確認や教育の必要性が注目されている。

 子ども乗せ自転車の選び方から、自転車に乗る子どもを持つ保護者の注意点、自転車の運転に関する道路交通法の改正についてなど、「マルキン」ブランドなど多くの自転車を全国展開する自転車メーカー「ホダカ」のブランドマネージャー大宅宏幸氏に話を聞いた。

--まずは、子どもを自転車に乗せて送り迎えをする保護者が増えているように感じるのですが、子どもを乗せる場合の自転車選び方で注意点はありますか。

 2人のお子さんを自転車に乗せることに関して言いますと、我々メーカーとしては前後に子どもを乗せられるよう専用に設計した幼児2人乗り対応モデルの自転車を販売しています。幼児2人乗り対応モデルでは、子どもを乗せて走行する時にふらつかないよう設計されており、スタンドも子どもを乗り降りさせる時に倒れることがないよう、しっかりとしたものを取り付けるなどの配慮をしております。

--そういったモデルでは子どもの座る位置が低くされていますが、走行安定性を高めているということですか。

 そうですね、前側に子どもを乗せる位置に関しては特に安全への配慮がされております。また、子ども1人を乗せる場合、荷台部分にチャイルドシートを取り付ける場合もあるかと思いますが、シートがきちんと自転車に取り付けられているかの確認と、スタンドや荷台の強度の確認も必要です。子ども乗せに対応したモデルと比べ、一般的な自転車では強度や走行安定性で不安な部分もあり、我々メーカーとしては、子ども乗せに対応したモデルの自転車をお使いいただくことをお薦めしています。

--自転車の利用に関しても伺いたいのですが、私の実感としては、道幅が狭いのに交通量が多い道路などではルールに従って車道側を走ることに恐さを感じます。特に子どもを乗せた保護者は道路で走ることに抵抗を感じるのではないかと思いますがいかがでしょうか。

 確かにルールを厳守して車道側を走行するということが、非常に難しい場所もあると思います。現在の道路環境を考慮すると歩道を走行しなければならない状況もあるかと思いますので、仕方なく歩道を走行する場合には自転車から下りる必要もあるかと思います。また、自転車の利用者からすると自動車との接触に目を奪われるかもしれませんが、歩行者との接触事故もあることを考慮して運転しなければなりません。

--確かに、歩行者との事故の可能性は自転車に子どもを乗せたお母さんにもありますし、通学で毎日自転車を使っている子どもが加害者になってしまう可能性もあります。「自分の子どもが加害者になる」とは、中高生のお子さんをお持ちの親御さんも想像がつかない部分だと思いますが、そういったことを周知する取り組みなどはあるのでしょうか。

 自動車の自賠責保険に近いものとして、日本交通管理技術協会が発行する、毎年自転車安全整備士による点検、整備を受けることで1年間有効となる「TSマーク」がありまして、その付帯保険として傷害補償と賠償責任補償を用意しているのですが、店頭におけるPR不足なのか、自転車利用者みなさまが加入しているとは言いがたい状況です。

 やはり、自転車を安全に利用してもらうための教育や啓蒙活動、いざという時の補償体制などは、自転車業界や行政が取り組んでいかなければならない課題だと思います。また、既に自転車利用者のみなさまにできることは、我々業界団体で自転車の左側通行を呼びかけている「自転車のキープレフト」、今度の法改正にもある「路側帯では自転車は左側通行」を、徹底するだけでも状況は変わってくると思います。

--自転車に関する交通ルールは子どもの頃に学んだきりなので、自転車に乗る時は意外とルールがあいまいなまま乗っていました。特に自動車の免許を持っていない人の場合は、加害者になる可能性があるとの認識は薄かったと思います。たとえば自動車の自賠責保険のように自転車に保険をつけて販売するなど、メーカーとして音頭をとって、被害者と加害者の双方を救済する仕組みや商品を展開してもらえると頼もしいと思うのですが。

 そうですね。自転車の使い方が、通勤・通学から、スポーツ、レクリエーションまで多様化している現在の状況を考えると、我々メーカーとしても、これまでのようにハードを供給するだけではなくソフト面、自転車を安心・安全に使って頂けるための保険商品などに関する取り組みを行う必要があると感じています。

--ありがとうございました。
《椿山和雄》

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