就職希望者の半数「お金がなくて進学断念」…あしなが育英会調査

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就業中の保護者の手取り給料額
  • 就業中の保護者の手取り給料額
  • あしなが育英会が主催した「遺児と母親の全国大会」でのデモ行進
  • 子どもの教育費は足りているか
  • 子どもの高校卒業後の進路希望
  • 就職を希望する理由
 あしなが育英会は高校奨学金を貸与している世帯に子どもの教育や進路などについてアンケートを実施。就職希望者の半数が「お金がなくて進学を断念」したことがわかった。さらに消費税増税についても「不安を非常に感じる」と8割が回答した。

 同会は、病気や災害、自死(自殺)などで親を亡くした子どもたちや、親が重度後遺症で働けない家庭の子どもたちを物心両面で支える民間非営利団体で、寄付金で運営されている。2012年度実績で、高校生4,100人と大学生など1,800人の計5,900人に年間23億5,000万円の奨学金を貸し出している。

 今回、3,464世帯の保護者を対象に郵送によるアンケートを11月に行い、2,273人が回答(回答率65.6%)。調査では、仕事や暮らしむき・社会保障、教育や進路、子どもへのはく奪の経験、子どもと保護者の心の問題、消費税増税への不安や影響について質問した。

 高校卒業後の進路については、「大学・短大進学」39.2%、「就職」26.9%。また両親のいない世帯では「就職」希望が35%、「大学進学」希望は首都圏で6.7ポイント減少した。平成25年度の文部科学省発表の「全国の大学・短期大学進学率」53.2%と比較しても約14ポイント低い。

 回答した3分の2の世帯が「教育費不足」で、就職希望者のうち「経済的理由で大学などへの進学断念」は53%で、2年前の調査より13ポイント増加した。また、家計支援や弟や妹のための「進路変更」33%、「進学断念」19%となった。

 「就職希望」を地域別にみると、北海道が33.6%、東北30.9%、九州・沖縄30.8%と高く、首都圏の15.9%と比較すると17.7ポイントの差がある。

 さらに「十分なおこづかいやお年玉をあげられなかった」59.8%、「クリスマスプレゼントや誕生日祝いなどができない」32.3%、「スポーツや習い事の断念」29.2%と、「はく奪」経験の深刻さが浮き彫りになったという。

 消費税増税については、家計への不安を「非常に感じる」80.2%、「ある程度感じる」16.8%を合わせて97%が不安を感じている。失業中の保護者は10%で、就業中の保護者の月給平均手取り額(10月)は138,000円だった。

 また、子どもも親も生活が苦しいだけではなく、心の問題も深刻であることがわかった。親の死や障害以降に「不登校や登校を嫌がった」29%、「暗い表情が増えた」28%、「カウンセリングや精神科に通院」24%、「怒りっぽくなった」23%。保護者も抑うつ的な状況が増えていた。

 お金が工面できれば進学できる「無利子奨学金制度枠の拡大」や「給付型奨学金制度の新設」を望む保護者がともに4割おり、同会では国による奨学金制度の拡充が必要だと話す。さらに、遺児や保護者への心のケア活動など精神的なサポートの必要性も高いという。

 12月15日には東京で、同会が主催する「第25回遺児と母親の全国大会」が開催され、全国から400人が参加したほか、下村博文文部科学大臣や政府、各党代表が出席した。
《田中志実》

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