【高校受験2014】東京都立進学指導重点校グループ作成問題<数学>講評

 難関高校に高い合格実績をもつSAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、進学指導重点校(日比谷、戸山、青山、西、八王子東、立川、国立)のグループ作成問題について、「数学」の講評を速報する。

教育・受験 受験
表1 小問集合
  • 表1 小問集合
  • 表2 二次関数
  • 表3 平面図形
  • 表4 発展問題
  • 表5 まとめ
 平成26年度東京都立高等学校入学者選抜の学力検査(海外帰国生徒対象を除く)が、2月24日(月)に実施された。昨年度までの15の都立高校(全日制)による自校作成問題が廃止され、今年度はこの15校を3グループにわけ、国語、数学、英語についてグループ作成問題による学力検査が実施された。

 難関高校に高い合格実績をもつSAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、進学指導重点校(日比谷、戸山、青山、西、八王子東、立川、国立)のグループ作成問題について、「数学」の講評を速報する。国語、英語についても同様に掲載する。

===進学指導重点校グループ<数学>講評(SAPIX中学部 提供)===
◆東京都立高校の入試問題
 東京都立高校で実施される入試は、全教科同じ問題(以下、「共通問題」と記す)が使用されています。幅広い学力の受験生に対応するために、首都圏難関私立校と比較すると取り組みやすい問題となっています。

◆進学指導重点校
 都立日比谷高(千代田区)、都立西高(杉並区)、都立国立高(国立市)、都立八王子東高(八王子市)、都立戸山高(新宿区)、都立青山高(渋谷区)、都立立川高(立川市)の7校は「進学指導重点校」の指定を受け、平成13年度の日比谷高を皮切りに独自の入試問題を高校で作成・実施してきました。英語のリスニング・理科・社会は共通問題を使用しますが、リスニング以外の英語および数学と国語は例年非常に難易度の高いものが出題されています。

◆グループ作成
 さらに今年度から、これら進学指導重点校の教員がグループで入試問題を作成(以下「グループ作成問題」と記す)することが発表されました。グループ作成問題では、大問ごとに複数問題を作成し、高校がそれを組み合わせて入試問題を編成します。さらに科目ごとに1題は学校オリジナルの問題(以下「自校作成問題」と記す)に差し替えていいとの発表もあります。

 以下では今年度の進学指導重点校グループの入試問題を分析し、都立校入試がどのように実施されたのかを検証していきたいと思います。

数学【進学指導重点校グループ】
◆各問の構成及び内容 ※都立高校説明会配付資料より引用。
(1)数と式、図形などの領域に関する基礎的・基本的な事項についての知識・理解および数学的な技能に関する能力などをみる。(以下「小問集合」と記す)
(2)主として数量の関係や法則に関する基礎的・基本的な事項についての知識・理解をみるとともに、問題を総合的にとらえて論理的に考察し表現する能力などをみる。(以下「二次関数」と記す)
(3)主として図形に関する基礎的・基本的な事項についての知識・理解をみるとともに、見通しをもって論理的に考察し処理する能力や推論の過程を的確に表現する能力などをみる。(以下「平面図形」と記す)
(4)主として数学的活動の場面をもとに、数学的な見方や考え方に基づいて事象を数理的に処理する能力や推論の過程を的確に表現する能力などをみる。(以下「発展問題」と記す)

◆小問集合(表1) ※大問の中で分野が細かく分かれています。
 小問集合(1)~小問集合(3)までは、グループ作成の問題では比較的解きやすい問題となっています。小問集合(4)の確率はタイプA・タイプBは標準レベルですが、問題文から関係式を導く必要があるため、やや手間がかかる問題になっています。小問集合(5)の作図はタイプA・タイプBいずれも若干難しくなっています。

◆二次関数(表2)
 タイプB・タイプCは例年通りの学校作成の雰囲気を残しつつ、比較的解きやすい問題となっていました。日比谷高で出題されたタイプCは非常に難しく、完答は厳しいでしょう。

◆平面図形(表3)
 タイプA・タイプBともに例年の学校作成の問題よりは若干取り組みやすい問題となっていましたが、完答するにはしっかりとした基礎力が必要でした。練習量によって、解答するスピードに差がついたと思われます。

◆発展問題(表4)
 タイプAとタイプBについては例年並みの学校作成の難易度でしたが、(3)を正答するのは厳しいでしょう。西高で出題されたタイプCは問題文がかなり長く、(1)の難易度も高かったため、敬遠した受験生も少なくなかったと思われます。

◆進学指導重点校の出題まとめ(表5)
 大問1を中心に、全体的には例年の学校作成よりは取り組みやすい出題が増えましたが、各問ともに完答が容易であったというわけではありません。大問2・3・4の最後の設問は、いずれも受験生の実力が試される問題となっています。
===

 このレポートは2014年2月25日(入試翌日)に速報としてSAPIX中学部により作成されたもの。自校作成問題の意図・平均点など今後判明する情報、問題に関するより詳細な分析、受験に向けての対策などについて、下記の入試分析会で報告される予定だ。また、進学指導重点校受験のためのシミュレーションが行える公開模試も実施される。

・入試分析会(3月21日)
 都立日比谷・西高合格セミナー
 都立戸山・青山高合格セミナー
 都立国立・立川高合格セミナー
・公開模試
 8月6日:第1回都立進学指導重点7校入試プレ(中3)
 10月19日:第2回都立進学指導重点7校入試プレ(中3)
 12月23日:都立進学指導重点校入試プレ(中2)
《田村麻里子》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top