東京都教育委員会は6月11日、平成26年度に実施した都立高校入試で1,064件の採点ミスがあったことを明らかにした。再発防止・改善策として、平成27年度に実施する平成28年度都立高校入試では、マークシート方式を全校に導入する。 都立高校入試をめぐっては、平成25年度実施入試で158校1,418件の採点ミスが発覚。16人が追加合格となった。これを受け、平成26年度実施入試ではモデル校20校でマークシート方式を実施するとともに、2系統による採点・点検方式を導入した。 平成26年度実施入試では、99校において1,064件の採点ミスがあったが、「誤答を正答として採点した」「合計点を誤って算出した」などの単純ミスは、平成25年度実施分の1,178件から平成26年度実施分は60件へと大幅に減少した。採点ミスによる追加合格はなかった。 一方、「誤って部分点を与えた」など記述式問題の採点ミスが1,004件にのぼり、記述式問題の採点に課題がみられた。1,004件のうち、874件が「誤字やスペルミスの見落とし」など、誤字・脱字などに関するものだった。 平成26年度実施入試の成果と課題を受け、平成27年度実施の平成28年度入試では共通問題を使用するすべての学校で原則マークシート方式を導入。部分点のある記述式問題の採点ミスを防止するため、誤字・脱字など表記の確認に特化した系統を加えた3系統による採点・点検方式に変更する。 また、誤字・脱字の取扱いなど採点基準の詳細については、平成26年度実施入試で都教委が規定した基準通りに採点しきれず、誤字・脱字の採点ミスが急増したことを受け、平成27年度実施入試では各校が受検者の実態に応じて適切に定める形へと変更する。 このほか、記号選択式問題においても思考力をみることができる出題となるよう一層工夫。マークシート方式で解答する問題を増やす。 都教委では、すべての学校で円滑に採点・点検業務が行われるよう、都立高校を対象に説明会や研修会を実施。受検者や保護者、中学校に対しても、マークシート方式導入や出題形式などについて、学校説明会での説明、リーフレット配布などを通して周知を図るとしている。