【高校受験2014】千葉県公立後期<国語>講評…例年並み

 平成26年度千葉県公立高等学校「後期選抜」が2月28日実施された。SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査の「国語」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

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 平成26年度千葉県公立高等学校「後期選抜」が2月28日、全日制130校と定時制17校で実施された。「後期選抜」の志願者数(倍率)は、全日制が17,687人(1.40倍)、定時制が370人(0.50倍)となった。SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査の「国語」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

◆<国語>講評(SAPIX中学部 提供)

 問題構成と難易度は例年どおりで、大きな変化はありません。制限時間40分に対して問題数が多く、総合的な国語の力を駆使して手際よく問題を解いていく必要があります。特に、聞き取り検査と作文の対策は不可欠です。

(1)聞き取り検査
 スピーチ原稿をもとに、先生と生徒のやりとりがなされ、その後問題が放送されました。スピーチ原稿は問題用紙に掲載されていますので、それを見ながらメモをしていけば正答することができました。例年どおり、同音異義語に関する出題がありましたので、日頃の漢字学習で知識を身につけておく必要があるでしょう。

(2)(3)漢字の読み取り・書き取り
 標準的な難易度の問題ですが、「脳裏」「鍛錬」などは通常の音読みとは異なるものが出題されています。例文と共に覚え、自分で使うことが習得の近道です。書き取りは、ただ練習するだけでなく、自分がよく間違えるポイントを認識しておきましょう。

(4)説明的文章
【出典】山極寿一(やまぎわじゅいち)『15歳の寺子屋 ゴリラは語る』
 本文冒頭で問題提起がなされていますので、それに対する答えを作者がどのように提示するのか、論の流れを追って読み取りましょう。5はキーワードを使って本文の要旨をまとめる問題でした。「思いどおりにいかない=失敗、ではなく、前に進むためのきっかけである」という本文の主旨は、公立高校からのメッセージにも思えました。

(5)文学的文章
【出典】上野瞭(うえのりょう)『さらば、おやじどの』
 前期選抜に続いて時代小説が出題されました。江戸時代を舞台としていますが、心情描写は現代人とかわるものではありません。心情の流れを追って読めば、高得点が狙えたのではないでしょうか。

(6)古文
【出典】井原西鶴(いはらさいかく)『日本永代蔵』
 江戸時代の古文が出題されました。「ほんの少しのお金でも、稼ぐことは難しい」という本文のメッセージが読み取れれば、4の記述問題も解くことができたのではないでしょうか。また、このエピソードは、商いにおける戒めとしても有名ですので、知っていれば正答をスムーズに出せたのではないでしょうか。

(7)作文
 評論家の福田恆存(ふくだつねあり)の言葉に対する「あなたの考え」を書く問題でした。設問の条件である「作者が伝えようとしていることについて説明する」と「あなたの考えを、自分自身の体験に触れながら書く」を確実にふまえて、短時間でまとめる必要がありました。作文の練習は、千葉県立難関高攻略のためには欠かすことはできません。


 このレポートは2014年3月2日に速報としてSAPIX中学部により作成されたもの。問題と正答については、現在、東京新聞「2014年首都圏公立高校入試」サイトにて閲覧することができる。
《田村麻里子》

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