文部科学省は、高校への遠隔教育の導入を検討している。遠隔授業を正規授業として認めるため、ITを活用した遠隔教育の有効性や課題について、有識者会議で検討に入っている。 現在、全日制・定時制課程の高校では、通学による教育が前提となっており、研究開発学校や不登校など一部を特例とする以外、遠隔授業は正規授業として認められていない。だが、少子化や過疎化、ICT技術の発展を背景に、生徒の多様な学びを実現するため、遠隔教育の実施に向けた検討が必要と判断した。 同省によると、平成25年3月1日現在の高校普通教室における校内LAN整備率は93.5%、高校における超高速インターネット接続率は76.1%。ICTを活用した教育手法、教員のICT活用指導力向上策などの検討も続けられている。 2013年度には北海道の離島の高校や小規模校5校、2014年度は北海道の通信制高校1校を研究開発学校に指定。遠隔授業システムを活用した遠隔教育について検証している。 7月4日には、「第1回高等学校における遠隔教育の在り方に関する検討会議」を開催。高校の遠隔教育の現状や検討事項について、共通認識を図った。 今後、ICTやさまざまなメディアを活用した遠隔教育の有効性や課題、ICT活用により学習効果を高める遠隔授業の在り方などを検討。年内をめどに報告案としてとりまとめる予定となっている。