厚生労働省は9月16日、医療機関向けに「デング熱診察ガイドライン(第1版)」を発表した。解熱剤を投与する際、アスピリン、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬は、症状を悪化させるため使用すべきではないと注意を促している。 8月より日本国内でデング熱の感染が報告され、9月17日現在までに131名の患者が確認されている。デング熱は、蚊に刺されてから3~7日程度で高熱のほか、頭痛、目の痛み、関節等の症状が見られる。今回発表された「デング熱診察ガイドライン」は、医療機関の医師がデング熱を疑う場合の対応および治療指針を示すもので、WHOのガイドラインやCDCのガイダンスを参考に作成したもの。 デングウイルスに有効な抗ウイルス薬はなく、水分補給や解熱剤投与といった対症療法を行う。解熱剤はアセトアミノフェンを使用し、アスピリンは出血傾向やアシドーシスを助長するため使用すべきではない。また、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬は胃炎や出血を助長するため使用すべきではないとしている。 現時点でデング熱のワクチンがないため、予防には蚊に刺されないような対策をとることだという。