子どもへの向精神薬処方が増加…抗精神病薬1.43倍、抗うつ薬1.37倍

 子どもに対する向精神薬の処方が増えていることが、医療経済研究機構が実施した調査結果より明らかになった。13歳から18歳への処方を2002~2004年と2008年~2010年とで比較すると、抗精神病薬で43%、抗うつ薬で37%の増加となっている。

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  • 6~12歳における向精神薬処方の経年変化
  • 13~18歳における向精神薬処方の経年変化
  • 13~18歳における向精神薬間の併用割合
  • 医療経済研究機構のホームページ
 子どもに対する向精神薬の処方が増えていることが、医療経済研究機構が実施した調査結果より明らかになった。13歳から18歳への処方を2002~2004年と2008年~2010年とで比較すると、抗精神病薬で43%、抗うつ薬で37%の増加となっている。

 調査では、厚生労働省が実施した2002~2010年の社会医療診療行為別調査のデータを2次分析。18歳以下の外来患者延べ23万3,399件を分析対象とした。

 同機構によると、精神疾患による受診者数の増加などを背景に子どもへの向精神薬の処方件数は、世界的に増加傾向にある。日本においても未成年の精神疾患による受診者数は、2002年の9万5,000人から、2008年には14万8,000人に増えている。

 一方、国内で承認されている向精神薬のうち、子どもを対象とした試験を経たものは注意欠如・多動性障害(ADHD)治療薬2剤のみ。子どもへの投与の有効性や安全性が確立していない向精神薬(ADHD治療薬、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安・睡眠薬など)を医師が余儀なく使用していることが予想されるという。

 2002~2004年と2008年~2010年の患者を比較したところ、6~12歳ではADHD治療薬が1.84倍、抗精神病薬が1.58倍に増えていた。13~18歳では、ADHD治療薬が2.49倍、抗精神病薬が1.43倍、抗うつ薬が1.37倍と増加傾向にあった。

 また、抗精神病薬を処方された13~18歳の患者のうち、53%は抗不安・睡眠薬、26%は抗うつ薬を併用。抗うつ薬を処方された患者でも、58%が抗不安・睡眠薬、36%が抗精神病薬を併用していた。

 同機構は、「増加傾向にある 、これらの薬剤の子どもへの治験の推進が喫緊の課題」と述べ、実臨床において「併用処方による長期的な有効性と安全を把握できるような調査手法を検討する」ことを指摘した。
《奥山直美》

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