電気自動車普及協会(APEV)は30日、東京大学で「国際学生EV超小型モビリティデザインコンテスト2015」のキックオフ記者発表会をおこなった。このコンテストは18歳以上の学生を対象にしたもので、APEVが主催。2013年に第1回が開催され、今回が2回目となる。課題は「国土交通省の定める超小型モビリティ規格に適合したEVの車両デザイン」というもの。ただ単に電動車両をデザインするだけでなく、「グローバルな視点から見た、インフラを含めたEVの未来の姿」をデザインすることが必要だ。対象となるのは「 国内外の、18歳以上の学生による学校単位のチーム」とされ、2名以上のグループとすることが必須。個人での応募はできない。ただし1校から複数チームが参加することは可能。APEVの横川浩会長は「次世代自動車の担い手になってもらわなければならない」と、学生たちに寄せる期待を述べている。また田嶋伸博代表理事も「2回目ということでまだまだ未熟だが、日本から優れたデザイナーを輩出したい」とコンテストへの意気込みを語っている。参加チームの応募受付は4月1日から5月29日まで。また審査は2段階に分けられ、1次審査に向けた作品の受付は7月中旬まで。これを突破すると2次審査へ進み、こちらの締め切りは9月上旬。前回は34チーム/27校のエントリーがあり、海外からも5か国/7チームが参加。このうち27チーム/19校が2次審査へと進んでいる。なお今回からコンテストの後援メンバーに日本自動車工業会が加わり、入賞作品は11月の東京モーターショー会場に展示されることになった。またこの他にも前回と同様に、協賛各社からさまざまな副賞が授与されることになっている。記者発表の後には、「日米欧最新EV動向 だからEVは普及する」という題で、日本EVクラブの舘内端代表による講演がおこなわれた。そのなかでも印象的だったのは、日本とヨーロッパのEVにたいする意識の差についての言及だ。「ヨーロッパでは、総合的に捉えて“交通をどうするか”ということを考えている。しかし日本では遅れている。EVが普通のクルマと比較され、クルマとしての使い勝手だけを抜き出して、スペックが劣るとか言われてしまっている」とのこと。社会全体で環境負荷を減らすために何をすべきで、そのために自動車はどうすればよいのかを考える必要がある、というわけだ。このほかヨーロッパではクリーンディーゼルの見直しが始まっていることや、EVシェアリングが普及していることなどが紹介された。コンテストのエントリー用紙や応募作品の内容構成、審査基準、詳しいスケジュール等は、APEVウェブサイト内のコンテスト特設ページで見ることができる。特設ページは4月1日にオープンの予定。