高3対象の英語力調査で「書くこと」「話すこと」に課題…文科省調べ

教育・受験 学校・塾・予備校

国立・公立学校全体のスコア分布
  • 国立・公立学校全体のスコア分布
  • 英語の学習は好きか
  • 授業におけるスピーチ、プレゼンテーション等を行っているか
  • CEFRとの対象表
  • 特色ある英語授業を行う高校
 文部科学省は5月26日、平成26年度英語教育改善のための英語力調査の結果を公表した。全国の高校3年生を対象に英語に関する4技能を測り、教育の成果と課題を検証。調査では、「書くこと」「話すこと」の課題が大きいことがわかった。

 全国の高校3年生約7万人(国立校約480校)を対象に、英語に関する「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」の4技能がバランスよく育成されているかを調べた。また、生徒の英語学習に関する学習意欲や関心、英語担当教員へは生徒の英語学習状況や指導状況、学校の取組み事例も聞いた。

 調査は全国無作為抽出で行う大規模な4技能型試験として、初めてのフィージビリティ調査(予備調査)になる。英語力を幅広く測定するため、世界基準のヨーロッパ言語共通参照枠「CEFR(Common European Framework of Reference)」のA1~B2までのレベルを測定できるように作成した。A1は英検の3級、B2は英検準1級程度。結果は学校での指導や生徒の学習状況の改善や充実のために活用される。

 「読むこと」「聞くこと」のスコアは、CEFRのA1上位からA2下位レベルに集中した。一方「書くこと」の得点者は全体の7割(無回答および0点は29.2%)、「話すこと」は全体の約9割(無回答および0点は13.3%)と、課題が大きいことがわかった。「書くこと」では与えられたテーマについて自分の意見や理由を適切に書くことに、「話すこと」ではさまざまな表現方法を使いながら適切な英語を用いて応答することに課題があった。

 英語学習に対する意識は、「好きではない」と回答した生徒は半数を上回った。現在の英語力のレベルによって、テストスコアが高いほど「英語を使って国際社会で活躍したい」など将来のイメージが明確な生徒の割合が高かった。

 英語での話し合いや意見交換した経験がある生徒は約4割。さらに、英語でスピーチやプレゼンテーションの経験したことのある生徒は2割ほどしかいなかった。一方、テストスコアが高い生徒ほど、英語を活用する授業経験が多かった。

 英語担当教員に対する意識調査では、聞いたり読んだりしたことに基づき、話し合いや意見交換を行っている教員は33.0%で、書く活動を行っている教員は39.7%と少なかった。さらにスピーチやプレゼンテーションを行っている教員は28.0%、ディベートやディスカッションは6.9%と特に少ない結果になった。

 今後の改善ポイントとして、「生徒が英語を使って何ができるようになるか」という観点から具体的な目標を設定した学習・指導方法、評価方法のありかたを検討。教員養成・研修でペア・ワーク、グループ活動などを含めた学習・指導方法、時事問題や社会的な話題などについて「発表・討論・交渉」などを行う模擬授業、「話す」「書く」の能力を測定するパフォーマンステストなどの強化が必要としている。

 ホームページでは調査結果の概要、スピーチやプレゼンテーションなどの言語活動を積極的に行う高校など取組み例が紹介されている。
《田中志実》

【注目の記事】

編集部おすすめの記事

特集

page top

旬の教育・子育て情報をお届け!(×をクリックで閉じます)