全国体力調査、小中男女ともに1位は福井県…全国小5男子は過去最低

 スポーツ庁は12月11日、平成27年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果を公表した。対象は小学5年生と中学2年生。女子は小学校、中学校ともに、測定した8種目の「体力合計点」は平成20年度の調査以来もっとも高く、小学校男子はもっとも低い結果になった。

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全国体力・運動能力、運動習慣等調査
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  • 体力合計点との関連(小学生男子、女子)
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 スポーツ庁は12月11日、平成27年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果を公表した。対象は小学5年生と中学2年生。女子は小学校、中学校ともに、測定した8種目の「体力合計点」は平成20年度の調査以来もっとも高く、小学校男子はもっとも低い結果になった。

 調査は全国的な子どもの体力の状況を把握・分析し、課題を検証・改善することなどを目的に実施。4月~7月、全国の小学5年生男子約54万5,000人、女子約52万3,000人、中学2年生男子約54万3,000人、女子約51万9,000人を対象に、実技と質問紙調査を行った。

 実技に関する調査は、小学生が握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、20mシャトルラン、50m走、立ち幅とび、ソフトボール投げの8種目。中学生は握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、持久走(男子1,500m、女子1,000m)、20mシャトルラン、50m走、立ち幅とび、ハンドボール投げの8種目(持久走か20mシャトルランのどちらかを選択)。

 8種目の体力合計点は、小学校男子が53.8点、女子が55.2点、中学校男子が41.8点、女子が49.0点だった。小学校女子、中学生女子は平成20年度の調査開始以来もっとも高く、小学生男子は調査以来もっとも低い結果となった。

 種目別でみると、小学生男子は握力16.45kg、立ち幅とび151.27m、ソフトボール投げ22.51mで調査開始以来もっとも低い値だった。一方で長座体前屈33.05cm、上体起こし19.58回で、調査開始以来もっとも高い値だった。小学生女子は上体起こし18.41回、長座体前屈37.45cm、反復横とび39.56点、20mシャトルラン40.70回、50m走9.62秒と5種目で調査開始以来もっとも高い値となっている。

 中学生男子は反復横とび51.63点、50m走8.01秒と調査以来もっとも高い値だった。一方で握力28.91kg、ハンドボール投げ20.61mだった2種目は、調査以来、毎年減少して過去最低の値となった。中学生女子は、上体起こし23.18回、長座体前屈45.55cm、反復横とび46.10点、持久走1,000m290.60秒、20mシャトルラン57.79回、50m走8.84秒、立ち幅跳び167.23cmの7種目で過去最高の値となった。一方でハンドボール投げは12.77mと調査以来毎年減少し、男子同様に過去最低の値となった。

 質問調査紙でみると、小学校男子で「運動が好き」と回答した小学生男子は体力合計点が全国平均より2.3点高く、「きらい」と回答した児童は全国平均より11.4点低かった。1週間の総運動量との関連をみると「好き」と回答した児童は705.0分で、「きらい」と回答した児童は156.9分だった。

 このように、運動好きな児童の体力合計点が高い傾向であることから、運動好き・体育好きな児童を育てる環境作りが重要として、運動遊びの実践をしている小学校の事例なども取り上げている。平成26年度の調査では前年度の調査結果を受けて取組みを行った市町村は43.8%だったが、平成27年度は63.9%に増加している。

 また、都道府県別の体力点合計の平均値がもっとも高かったのは、小学校男女、中学校男女ともに福井県だった。小学校男子でもっとも低かったのは愛知県、小学校女子は神奈川県、中学校男子は東京都、中学校女子は北海道だった。
《田中志実》

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