デジタル教科書に6割「賛成」するも「9割」が紙との併用を希望

 文部科学省は12月24日、「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議の第6回配付資料を公表。参考資料のアンケートから、6割以上がデジタル教科書の使用に賛成しているが、そのうち9割がデジタル教科書のみではなく、紙の教科書との併用を望んでいることがわかった。

教育ICT 先生
学校や家庭で「デジタル教科書」を使用することについて(小学校・中学校編)
  • 学校や家庭で「デジタル教科書」を使用することについて(小学校・中学校編)
  • 「デジタル教科書」のみ使用、「デジタル教科書」と紙の教科書を併用のどちらが望ましいか(小学校・中学校編)
  • 「デジタル教科書」を導入するにあたって、特に留意すべきと思うこと(小学校・中学校編)
  • 紙の教科書を使用しつつ、「デジタル教科書」を副教材として活用していくことについてどう思うか(小学校・中学校編)
  • 学校や家庭で「デジタル教科書」を使用することについて(高等学校編)
  • 「デジタル教科書」のみ使用、「デジタル教科書」と紙の教科書を併用のどちらが望ましいか(高等学校編)
  • 「デジタル教科書」の使用に反対する理由(高等学校編)
  • 紙の教科書を使用しつつ、「デジタル教科書」を副教材として活用していくことについてどう思うか(高等学校編)
 文部科学省は12月24日、「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議の第6回配付資料を公表。参考資料のアンケートから、6割以上がデジタル教科書の使用に賛成しているが、そのうち9割がデジタル教科書のみではなく、紙の教科書との併用を望んでいることがわかった。

 アンケートは平成27年8月、文部科学省初等中等教育教育局教科書課が実施。小学校・中学校編は日本PTA全国研究大会分科会の来場者が対象、有効回答数は2,753件、高等学校編は全国高等学校PTA連合会大会岩手大会の来場者が対象、有効回答数は1,136件。

 学校や家庭で「デジタル教科書」を使用することについて、小学校・中学校編、高校編ともに6割以上が「賛成」「どちらかというと賛成」と答えた。小学校・中学校の学年別分布をみると、学年があがるにつれ賛成の割合が増加。小学校1・2年生の61%、3・4年生の63%、5・6年生の66%、中学校の67%が賛成と回答している。高校では、普通科と専門学科の69%、総合学科の67%が賛成だった。

 デジタル教科書の使用に賛成と答えた回答者に対して、「デジタル教科書」のみ使用、「デジタル教科書」と紙の教科書を併用のどちらが望ましいかを聞くと、小学校・中学校の92%、高校の89%が併用を望んでいた。「デジタル教科書」導入にあたって、特に留意すべきと思うことでは、「子どもの有害情報へのアクセスの制限」「個人情報の保護など情報セキュリティ」があがっていた。

 デジタル教科書の使用に「反対」「どちらかというと反対」と回答したのは、小学校・中学校で8%、高等学校で11%と少数派となっている。反対する理由では、「書く力や考える力、知識の定着等の面で、子どもの学習が充実するとは考えられない」、「健康面への影響が大きい」、「紙の教科書の特性や機能(一覧性等)に欠ける」といった意見があがっていた。

 また、反対と答えた回答者に、紙の教科書を使用しつつ、「デジタル教科書」を副教材として活用していくことについてどう思うかを質問。小学校・中学校では、「できるだけ活用していくことが望ましい」38%、「積極的に活用していくことが望ましい」8%となり、「あまり望ましくない」は29%だった。高校では「できるだけ活用していくことが望ましい」37%、「積極的に活用していくことが望ましい」11%となり、「あまり望ましくない」は29%だった。

 このほかに公表された配付資料は、「デジタル教科書の諸問題」「今後のスケジュール」などがある。平成28年1月18日に開催される第7回以降、中間まとめに向けた論点整理について議論し、平成28年春から夏頃に中間まとめを予定している。
《黄金崎綾乃》

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