【子どものアレルギー7】小麦に含まれる「グルテン」知っておきたい穀物の種類

 鶏卵、牛乳同様にアレルギー症状を示す子どもが多い小麦。アレルギーに関する情報サービス「クミタス」を運営するウィルモアの石川麻由社長に小麦に含まれる「グルテン」とアレルギー症状について聞いた。

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【子どものアレルギー7】小麦に含まれる「グルテン」、知っておきたい穀物の種類(画像はイメージ)
  • 【子どものアレルギー7】小麦に含まれる「グルテン」、知っておきたい穀物の種類(画像はイメージ)
  • アレルギーに関する情報サービス「クミタス」を運営するウィルモア
 鶏卵、牛乳同様にアレルギー症状を示す子どもが多い小麦。アレルギーに関する情報サービス「クミタス」を運営するウィルモアの石川麻由社長に、小麦に含まれる「グルテン」とアレルギー症状について聞いた。

◆小麦の品種について

 小麦に含まれるたん白質は、プロライン(グリアジン)、グルテリン(グルテニン)、アルブミン、グロブリンなどが代表的で、グリアジンとグルテリンが結合すると、グルテンが形成されます。

 小麦の種類や品種はさまざまで、スペルト小麦、カムート小麦、ファッロ小麦、エンマー小麦、アインコルン小麦、デュラム小麦、ヒトツブ小麦など、それぞれ品種や特徴に違いがあります。

 デュラム小麦は、普通小麦、クラブ小麦、スペルト小麦とゲノム構成が異なり、染色体が普通小麦やクラブ小麦の42に対して28と少ない小麦です。普通の小麦のグルテニンは一方向の繊維状であるのに対し、デュラム小麦のグルテリンは網目状、リボン状であるという特徴があります。

 個人差や健康状態によっても異なりますが、品種の違いにより特定のタンパク質の含有量が少ない小麦はあり、小麦にアレルギー症状のある方では、小麦・小麦粉の違いによって症状の強弱が異なる可能性はあります。

 ただし、グルテンをまったく形成しない小麦があるわけではありません。また、小麦の摂取前後に歩行を含む運動や入浴を行うと、それにより食物依存性運動誘発アナフィラキシーが起こる場合があることが報告されています。

◆小麦以外でグルテンを形成する穀物

 グルテンというと小麦の話が多くなりますが、ほかにグルテンを形成する穀類としては、大麦、ライ麦、ライ小麦もあげられます。

 一方、グルテンを形成しないとされる食物は以下のとおりです。

・グルテンを形成しない食物(例):そば、とうもろこし、ハト麦、ヒエ、アワ、キビ、キヌア、アマランサス、米、ソルガム、ワイルドライス、テフ、大豆、エンドウ豆、レンズ豆、キャッサバ、ごま、アマニ、麻、ホップ、マスタード、じゃがいも

 オートミールなどに加工されるオート麦(オーツ麦)は、そのもの自体はグルテンを形成しないのですが、製造過程までにオート麦に小麦が混入する可能性があります。オート麦は煮ておかゆ状にしたり、離乳食としても食べられますが、もし微量の小麦にアレルギー反応を示す方は、少量から試されるのが良いでしょう。
《編集部》

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