育休復帰支援を制度化している企業は約5割、育児・介護支援制度調査

 産労総合研究所が企業を対象に実施した「育児・介護支援制度に関する調査」によると、育児休業期間は規模の大きい企業ほど法定以上の育児休業期間を定める傾向が見られたほか、育児休業の復帰支援制度を設けている企業は、回答した企業のうち約5割という結果となった。

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 産労総合研究所が企業を対象に実施した「育児・介護支援制度に関する調査」によると、育児休業期間は規模の大きい企業ほど法定以上の育児休業期間を定める傾向が見られたほか、育児休業の復帰支援制度を設けている企業は回答した企業のうち約5割という結果となった。

 「育児・介護支援制度に関する調査」は、産労総合研究所が2015年9月から10月にかけて、会員企業の中から任意に抽出した3,000社を対象に郵送によるアンケート方式で実施した調査で、回答のあった231社について集計したもの。

 育児休業の取得期間についての調査では、「法定どおり」とする企業は78.8%、「法定を上回る」とする企業は21.2%だった。企業の規模別に見ると、育児休業の取得期間が「法定を上回る」企業は、1,000人以上規模の企業で51.5%、299人以下規模の企業で10.2%と、規模の大きい企業ほど法定以上の育児休業期間を定める傾向が見られた。

 法定を上回る場合の休業期間については、2~3歳までとする企業が多く、保育園の入園状況にあわせた対応や分割取得を可能にする仕組みなど、さまざまな対応をとる例があった。

 育児休業取得者が円滑に職場復帰できるように、何らかの支援制度を設けている企業は、全体の52.6%だった。休業前後に行う面談の具体的内容としては、「制度説明」「勤務可能時間の確認」「キャリアに対する考え方を確認」「復帰する職場の上司と面談」などがあがった。

 育児短時間勤務から通常勤務に転換する時期についての回答では、もっとも多かったのが「1年以内」の11.4%で、次いで「子どもが3歳になるまで」39.8%、「子どもが小学校に入学するまで」が30.7%だった。制度上短時間勤務取得可能な期間別に見ると、制度の上限よりも早く通常勤務に転換するという企業も多かった。

 また介護休業期間については、「法定どおり」とする企業は79.2%で、分割取得の定めについて「法定どおり」とする企業は87.7%だった。介護休業や介護支援制度などについて、社員の相談窓口がある企業は全体の44.1%だった。

 介護休業について積立年休の利用を認めている企業は全体の29.7%で、「認めていない」企業が33.6%、「積立年休はない」企業が36.2%だった。これについても、規模の大きい企業ほど、積立年休の利用を「認めている」という回答が多かった。なお、介護に利用できる積立年休の日数は、平均49.3日だった。

 産労総合研究所のホームページでは、このほか育児休業期間中の月例賃金の支給についてや、育児短時間勤務者の仕事内容、子どもを養育する社員への支援措置についてなどの調査回答結果を見ることができる。
《塩田純子》

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