◆外国人のおもてなし 2時間目の授業では、実際に外国人をお出迎えするために、英語による挨拶の練習が行われた。ホストとゲストに分かれて、ペアで会話を復唱したあと、デジタルカウンターの出席番号で選ばれた3名が挨拶を実演。英語をうまく話すことが目的ではなく、すでに学んだ「表情」や「握手」の方法が、おもてなしとして重要だ。ここまで学んだところで、児童たちは3つのポイントをゲットし、教材のなかでおもてなし大使に任命された。 続いて上級編として、普段の生活で行えるおもてなしの実践について、ふたたびクイズが出題された。外国人の名前を漢字で書いてあげたり、相手の国の言葉で挨拶すると喜んでくれる。逆に子どもの頭をなでることは頭の上には神様がいると信じる国もあることから、国によってはNGだという。 普段から相手の目を見ながら挨拶することは、おもてなしの1つだ。しかし、おもてなしには、数多くの種類があり、そこに絶対的な正解はない。そこで実際に自分ができそうなおもてなしについて各人が考え、班のなかで意見を交換し合った。ここで生徒たちは、おもてなしが外国人だけでなく、目上の人や、家族、友達にもできることを学んだ。そしてクラス全体として一体どんなおもてなしができるかを考察。最後にクラス30名が目標にするおもてなしについて話し合い、「困っている人がいたら声をかける」「元気よく笑顔で相手の目を見て挨拶する」という目標が定まった。◆子どもたちの気持ちを温める授業 授業が終了したあと、サプライズで監修者の江上いずみ氏が登場し、リアルな「おもてなし大使」のメダルのほか、児童全員にオリンピックのバッジをプレゼント。児童たちは初めての公開授業のため少し緊張していたようだったが、よい思い出づくりになったようだ。 また今回の授業に対する講評会も催された。授業を行った上田隆司教論は「あいさつやおもてなしは、道徳教育の最初の取っ掛かりとして最適な題材です。また教材のゲーム感覚も視覚的に訴えるものとして重要な要素。子どもは本物から学ぶと感動を覚えます。この教材は江上先生が実際にそこにいるかのように丁寧に教えてくださるのがよい点です。また教員の負担が減り、児童のようすを見ながら授業を進められます。福祉の学習とともに、障がい者に対するおもてなしを発展させ、最終的にパラリンピックへの理解につなげたい。この授業はこれだけで終わるものでなく、子どもたちの気持ちを温める授業になると思います。」と述べた。