日立製作所と日立ソリューションズ・クリエイトは3月28日、滋賀県草津市の公立小中学校全20校の教職員約800名が利用できる教材共有システムを構築したと発表した。4月1日より本格的に稼動を開始する。 近年、学校教育の現場では教育へのICT活用が進み、授業の質的向上や教職員の業務負担の軽減を図るため、データの蓄積や複製・編集が可能なデジタルコンテンツの特性を利用して、さまざまな教材を複数の学校や教職員の間で共有して有効活用できる仕組みへのニーズが高まりつつあるという。 草津市の小中学校では、授業でタブレット端末を使用するなど積極的にICTを教育に取り込んでおり、さらなる授業の質的向上と効率化を目的として、このたび教材共有システムを導入。同システムは、日立の「教育コンテンツ活用システム」を利用して構築した。 教材共有システムを利用すると、これまで草津市の小中学校や教育委員会でそれぞれ作成・保管していた教材や学習指導案などのコンテンツがポータルサイトを通じて共有可能となる。具体的には、システム上に蓄積されたコンテンツは、学年や教科、学習内容などをキーワードとして検索・入手し、授業の際に電子黒板やタブレット端末上に投影したり、印刷して配布資料として活用したりすることができる。 また、各コンテンツには教職員からの感想や改善提案をデータとして記録することや、教材などを各教職員の「マイフォルダ」内に登録することができる。 草津市では、教材共有システムを教育委員会のプライベートクラウド上に構築しており、草津市の公立小中学校全20校において、教職員が校務用パソコンを通じて共同利用する。利用時には、ID・パスワード認証によるアクセス管理を行うことで、情報漏えいを防止する。