【EDIX2016】つくば市長 市原健一氏基調講演…ICT教育40年の歩みと効果

 「第7回 教育ITソリューションEXPO」の初日である5月18日、茨城県のつくば市長の市原健一氏による基調講演「ICT活用による『学校間協働学習』が学力向上に直結!」が行われた。

教育ICT 先生
茨城県つくば市長の市原健一氏
  • 茨城県つくば市長の市原健一氏
  • つくばスタイル科で学習する8つの内容
  • つくば次世代型スキル
  • つくば市立「春日学園義務教育学校」
  • 第7回 教育ITソリューションEXPO
◆“施設一体型”の春日学園の試み

 このほか、市原氏は施設一体型の学園として、2012年に開校したつくば市立「春日学園義務教育学校」を紹介。春日学園はつくば市では唯一となる施設一体型の小中一貫校で、生徒数は1,800名というマンモス校ながら、不登校者数は0であるという。

 また、中学3年生にあたる同校の9年生での成績を国語・数学の2教科で全国の学校と比較したところ、全国1位の県より高い成績となったことを市原氏はあげた。特に、応用問題に強い傾向があり、この理由のひとつとして「ICTを活用した協働学習のアクティブ・ラーニングや、家庭でも学習できるオンラインスタディの活用の効果が大きい」と語った。

 40年間におけるICT教育の効果の例を紹介しつつ、同時に「ICTはあくまでツール。使い方次第で、無限の可能性を秘めている」と氏は話す。そのためには情報モラルを確立する必要性と、行政と教育委員会、そして学校どうしの連携が重要だと語った。

 「世界にはばたくために、これからは学力だけでなく人材の育成としてもICTは大きな力になる」と、市原氏は結んだ。

 つくば市では、2015年に開催した「つくば市全国ICT教育首長協議会」をはじめ、ICT推進のために全国に向けたイベントを行っている。学力の向上だけでなく、生徒の学習への意欲向上、不登校問題の解決といった効果が期待されるつくば市のICT教育は、今後日本が向かうICT教育へのひとつの指針となっていくことが期待される。
《相川いずみ》

教育ライター/編集者 相川いずみ

「週刊アスキー」編集部を経て、現在は教育ライターとして、ICT活用、プログラミング、中学受験、育児等をテーマに全国の教育現場で取材・執筆を行う。渋谷区で子ども向けプログラミング教室を主宰するほか、区立中学校でファシリテーターを務める。Google 認定教育者 レベル2(2021年~)。著書に『“toio”であそぶ!まなぶ!ロボットプログラミング』がある。

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