熱中症対策、衣服内温度から予測が可能に…大阪市立大

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ウェアラブルコンピューターを用いた実証実験のイメージ
  • ウェアラブルコンピューターを用いた実証実験のイメージ
  • 大阪市消防局の実火災体験型訓練のようす
  • 人工気候室内での実証実験のようす
  • 消防隊員による実証実験での結果
 大阪市立大学は8月28日、研究チームが衣服内温度の測定から深部体温の予測を実証したと発表した。衣服内の温度を監視することで深部体温が予測できるため、熱中症の予知や警告が可能になるという。

 実証したのは、大阪市立大学大学院工学研究科の高橋秀也教授、大阪市立大学都市健康・スポーツ研究センターの岡崎和伸准教授による研究チーム。6月に大阪市立大学と大阪市消防局が締結した「消防隊員のヘルスケア等の研究開発に係る連携に関する申合せ」に基づき、大阪市消防局の協力で実験を行った。

 熱中症は、深部体温が約39.5度以上になると脳機能障害を引き起こす可能性が出てくるなど重症化するため、熱中症リスク判断には深部体温の上昇を察知することが有効とされる。

 消防活動に欠かせない消防服は、耐熱性に優れる反面、発汗や皮膚温度の上昇による熱放散を抑制し熱中症を誘発しがち。着用時には熱中症対策が必要となるが、消防活動中の隊員の深部体温を測定することは困難だった。そこで今回、消防服内に名刺ケースサイズのウェアラブルコンピューターを装着し、衣服内温度の測定を試みた。

 6月に事前調査として大阪市消防局の実火災体験型訓練(ホットトレーニング)に参加し、隊員の消防服内温度を測定。訓練中の熱ストレスが高い域に達する状態が発生することを確認した。

 8月には大阪市立大学都市健康・スポーツ研究センターの人工気候室内で隊員に消防服を着用してトレッドミル(ウォーキングマシン)上で歩行してもらい、深部体温(食道温)、皮膚温、衣服内温度、身体活動量などを測定。衣服内温度から深部体温を予測するアルゴリズムを用いて求めた値が、深部体温の実測値と極めて近いことが確認できた。

 今回の実験では、衣服内温度から深部体温を予測することが可能であることを実証。衣服内温度を監視することで、熱中症の予知や警告が可能になる。消防活動の現場では、消防服にウェアラブルコンピューター機能を持たせることで、現場指揮者らが隊員の身体変化を把握して的確な部隊運用の指示が出せるなど、消防隊員の安全性向上が期待される。

 今後は、大阪市消防局の協力のもと、実際の消防隊員の消防活動時の動きを再現した実証実験を重ね、消防隊員用にパラメータやアルゴリズムの修正を検討していくという。
《奥山直美》

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