幼稚園から高校までの学習費総額、私立・公立で3.28倍差

 文部科学省は平成29年12月22日、「平成28年度子供の学習費調査」の結果概要を公表した。幼稚園から高校までの15年間、すべて私立に通った場合は約1,770万円かかり、すべて公立に通った場合の約540万円と3.28倍の差があった。この差は前回調査より0.1ポイント減少している。

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「平成28年度子供の学習費調査」学校種別の学習費総額
  • 「平成28年度子供の学習費調査」学校種別の学習費総額
  • 「平成28年度子供の学習費調査」幼稚園3歳から高等学校3年生までの15年間における学習費総額
  • 「平成28年度子供の学習費調査」学校別にみた補助学習費とその他の学校外活動費
 文部科学省は平成29年12月22日、「平成28年度子供の学習費調査」の結果概要を公表した。幼稚園から高校までの15年間、すべて私立に通った場合は約1,770万円かかり、すべて公立に通った場合の約540万円と3.28倍の差があった。この差は前回調査の平成26年度より0.1ポイント減少している。

 文部科学省は、子どもを公立または私立の幼稚園、小学校、中学校、高等学校(全日制) に通学させている保護者が、子どもの学校教育や学校外活動のために支出した1年間の経費の実態をとらえる「子供の学習費調査」を、平成6年度より隔年で実施している。平成28年度(2016年度)調査では、公立・私立の幼稚園、小学校、中学校、高等学校(全日制)1,140校の幼児・児童・生徒を対象に行われ、2万3,706人から有効回答を得た。

 保護者が支出した1年間・子ども1人あたりの学習費総額(保護者が子どもの学校教育および学校外活動のために支出した経費の総額)をみると、公立幼稚園が23万3,947円、公立小学校が32万2,310円、公立中学校が47万8,554円、公立高等学校(全日制)が45万862円。私立幼稚園は48万2,392円、私立小学校は152万8,237円、私立中学校は132万6,933円、私立高等学校(全日制)は104万168円となっている。

 前回(平成26年度)調査と比べると、公立幼稚園と公立・私立の高等学校に増加がみられた。公立幼稚園については、おもに自宅外学習や学習塾、家庭教師などの費用にあたる補助学習費を指す「学校外活動費」と、体験活動や習い事のための支出を示す「その他の学校外活動費」が前回調査より11.1%増加している。公立高等学校は、高等学校等就学支援金制度に移行した影響による学校教育費の増加や学校外活動費の支出の増加の影響が考えられるほか、私立高等学校でも学校外活動費の増加があったことが関係している。

 学校外活動費は、公立・私立のいずれも進学が近づくにつれて増加がみられる。学年別でみると、公立は中学校3年生の約41万6,000円、私立は小学校6年生の約76万4,000円がもっとも多くなっていた。また、高等学校は公立・私立ともに1・2年生での支出額が増加し、3年生との支出差は縮小する傾向にあった。

 学校種別に公立学校と私立学校の学習費総額を比較すると、私立は公立に比べて、幼稚園で2.1倍、小学校で4.7倍、中学校で2.8倍、高等学校では2.3倍。幼稚園3歳から高等学校3年生までの15年間、すべて私立に通った場合の学習費総額は約1,770万円、すべて公立の場合は約540万円。私立は前回調査の学習費総額と変わらずだったのに対して、公立は10万円以上の増加がみられた。そのため、私立と公立の差は3.28倍と、前回調査(3.38倍)より減少した。

 このほか、世帯の年間収入や学校給食費などについても調査を行っている。調査結果は文部科学省Webサイトから閲覧できる。
《黄金崎綾乃》

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