そうした心配を払拭してくれそうなプログラミング教室が、東京に登場した。
関西の人気ロボットプログラミング教室が関東に開校
2018年4月に関東で開校する「プログラボ」は、2016年から阪神電鉄と読売テレビが関西地区で運営を行っているロボットプログラミング教室だ。関西では13校が展開され、日本最大級のロボット制作およびプログラミングによる制御技術を競うコンテスト「WRO」に出場するなどの実績を持っている。関東での運営は、東京メトロとJR中央ラインモールが行い、第1期として、葛西、武蔵小金井、中野の3か所に開校する。
>>> 体験会開催中
プログラボのコースは全4種類あり、初年度のコースは、幼児から小学2年生までの「ビギナー」と、小学3年生から中学生までの「スタンダードII」の2コースのみとシンプル。2年目以降も継続して受講すると、「ビギナー」は「スタンダードI」へ、「スタンダードII」は「アドバンストI」へ進んでいく。
教材は、教育用のロボット教材として人気の高いレゴエデュケーションの「教育版レゴ マインドストーム EV3」を使用。「ビギナー」コースではロボットを組み立てながら、ものの仕組みを考え、簡単なプログラミングで概念を学んでいく。「スタンダード」以降のコースでは、さらに一歩進んで、自分の作ったロボットで「WRO」への出場を目指す。
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教育用のロボット教材として人気の高いレゴエデュケーションの「教育版レゴ マインドストーム EV3」を使用
家計にうれしい教材費ゼロの月謝のみ
プログラボの特長の一つとして、初期費用が非常に安いことがあげられる。
月謝は1回50分月3回の「ビギナー」で9,000円(税抜き)、1回90分月3回の「スタンダードII」は11,000円(税抜き)と、お稽古としては決して安いものではないが、教材を無料で貸し出してくれるため、月謝以外の費用はかからない。
プログラミング教室では、最初に教材の購入が必須となるところが多い。また、新しいコースに進むたびに、コースに合わせた新しい教材を購入する場合もあり、初期費用の高さが始める際のネックのひとつとなる。教材の「教育版レゴ マインドストーム EV3」は基本セットだけで数万円と高価なため、これまでロボットプログラミングの教室に興味はあっても、費用の面で諦めていた家庭も少なくない。
プログラボではそうした心配がなく、入会金も必要ないため、月謝だけですぐに始められるメリットは非常に大きい。
目標は「WRO」の全国大会出場!
また、もうひとつのメリットが、出口が明確なことだ。
プログラミング教室に通わせる際、保護者として気になることのひとつが「習った成果」だ。エンジニアやプログラマーまでとはいかなくても、何かしらの目に見える成果や目標があると、お金を出す側としても納得がいく。
プログラボでは、毎年7月に開催されるロボット大会「WRO」への出場を目標としている。そのため、1年のカリキュラムは4月から6月までが基本の操作から概念までを学ぶ3つのミッションになっており、これを学ぶことで、WROに出るための基本ができあがる。
WRO出場後の8月以降は発展ミッションとして、身近なものの仕組みを学びながら、もっと複雑な動きなどを学んでいき、論理的思考や探究心、主体的に最後までやり抜く力等を身に付けながら、次の年のWROに備える。
「プログラボ」体験会に親子で挑戦
現在、プログラボでは4月からの開校に向けて、関東の3か所の教室で体験会が開催されている。今回は、2月に葛西校で開催された新小学3年生以上のクラスの体験会に、小学3年生の息子と親子で参加してみた。
体験会には、小学3年生から5年生までの全5人が参加。プログラミング初心者から、すでに教室に通っている経験者まで、プログラミング経験もさまざまだった。
体験会は大きく分けて4つのプログラムで進行した。今回のテーマは「プログラミングで火星に行こう!」。ロボット全般の解説に始まり、レゴでのロボット作り、プログラミング、そして制作したロボットを使って実際に火星旅行へのチャレンジまでを行った。
最初に先生が「ロボットとはどんなものか」を動画などで説明したあと、今回のテーマである火星について紹介していく。これで下準備は完了。いよいよ、レゴを使って火星ロボットの制作に入る。
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最初に先生が「ロボットとはどんなものか」を動画などで説明
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レゴを使ってロボットを制作
制作時間は30分ほど。レゴ好きの子どもが多いこともあり、黙々とレゴを組み合わせてロボットを作っていく。基本の形は教えてもらうものの、細かい部分はひとりひとり工夫を凝らしているため、完成した5台のロボットはそれぞれ異なっていた点も興味深い。
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ロボットが完成!
1人1台のiPadでロボットを動かすプログラムを組む
ロボット作りが終わると、iPadを使ったプログラミングを行う。1人1台ずつiPadが配布され、プログラミングツールを使って、ロボットの動きを考える。
まずはプログラミングツールの基本的な操作として、「前に進む」「方向を変える」といった簡単な操作を練習する。使うプログラミングツールは、マインドストーム専用のアプリで、ブロック型の命令をタップしてつなげていく、所謂“ビジュアルプログラミング”と呼ばれるものだ。直観的に操作ができるため、慣れれば幼児からでもプログラムを組むことが可能だ。5人中4人は未経験だったが、タブレットの操作自体は慣れていることもあり、比較的スムーズに操作を覚えていった。
ひととおり基本の操作を理解したところで、いよいよ、ロボットを火星に到達させるためのプログラムに挑戦する。
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いよいよプログラミングに挑戦!
ここで登場したのが、畳一畳分ほどの大きな宇宙のセットだ。10センチほどの低い枠で囲まれたセットの中には、地球や月、火星などの写真がリアルにプリントされており、その途中に枠が迷路のように邪魔している。この枠にぶつからず、地球からロボットをスタートさせて、火星まで到達させるのが今回の目標だ。この大きな迷路の登場に、子どもたちのテンションが一気にあがる。机の上から、床に置かれた宇宙へ、我先にとロボットを持って並び始めた。
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プログラミングで火星に行こう!
「あれ?」
しかし、全員のロボットが、火星どころか、月へ到着するまでに宇宙で迷子になってしまう。思っていたように動かないロボットに、子どもたちは首をかしげ始めた。
失敗を重ねて考える試行錯誤の時間を大事に
ここからが、いよいよプログラボの醍醐味ともいえる“試行錯誤の時間”だ。
今回の場合、「前に進む」「右に90度向く」「前に進む」「左に90度向く」「前に進む」といった命令の組合せが、大人ならすぐに思いつくかもしれない。しかし、それだけではうまくいかない。実際には、コースの長さに合わせ、ロボットが進む距離を調整しなければいけないため、子どもたちにとっては難しい課題だった。
動きは合っているものの、長さが足りず枠にぶつかってしまったり、角度がずれて思うとおりに進まなかったりと、次々と試みるものの、なかなか月までも到達しない。
そんな時、先生はひとりひとりのチャレンジを見て、ほめたり励ましたりといった声がけはするものの、決して正解は教えない。子どもが何度も失敗を重ねたのちに、自身で「どうしたらうまくいくのか」を考える過程を大事にしている。
5人の子どもたちは、失敗するたびに、机に戻ってプログラミングをやり直し、何度も繰り返しチャレンジを続けていた。そうしたなか、ようやく1人が火星へ到達。それを見た子どもたちが刺激を受け、子どもたちの熱がどんどん上がっていく。体験会が終了したあとも、「まだ帰りたくない!」「もっとやりたい」と言い出すほど、子どもたちが夢中になった1時間半だった。
教室での刺激が新たな創造力につながる
体験で改めてわかったことは、友達と一緒の場で、同じミッションを目指すことの楽しさだ。レゴやブロックが大好きで、普段から1人で延々と作っている子は多いだろう。しかし、ほかの子どもたちと一緒にやることで、1人の時にはない刺激があり、そこから「自分もこんなものを作ってみたい」という意欲や、「そんなやり方があるんだ!」という新しい学びにもつながってくる。
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プログラボ体験会
今回体験した保護者に、「プログラボ」の感想を聞いてみた。
まず、小学5年生の男子の保護者である田沼さん(仮名、以下保護者は同様)。実は、自身がエンジニアである田沼さんは、子どもがプログラミング教室に通うことについてはどちらかというと反対派であったそうだ。しかし、今回の体験を見て、イメージが変わったという。
「仕事柄子どものプログラミングなんて自宅でもできると思っていたけれど、実際体験してみたら、思ったより内容がしっかりしていてよかったですね。大人には簡単にできるように見えるものでも、子ども達にしてみたら、なかなか難しいこともわかりました。また、教室だとほかの子のプログラミングなども見られるから、刺激し合えることも大きなメリットだと思います」
現在、学童保育のオプションとしてプログラミングを習っているという小学3年生女子の母である中村さんは、「これまで子どもが何をしているのか、親としてはよくわからなかったです。ロボットというものがあることで、親にもわかりやすいですし、子どももより体験として実感できるのが気に入ったようです」と話していた。
ロボットという“ものづくり”を通して、ものの仕組みを学びやすく、手を動かしている時間が多いのは、ロボットプログラミングならではのメリットだ。また、「WRO」出場までを教室がサポートしてくれるということは、保護者の立場として考えると非常にポイントが高い。全国規模の大会を目指すという目標が明確なため、子どものモチベーションも上がりやすく、親子ともに達成感も得ることができそうだ。
もの作りでプログラミング的思考の下地を学ぶ
体験会のあと、関東で「プログラボ」の運営を行う東京メトロとJR中央ラインモールの担当者に話を聞いた。
「『なぜ、鉄道会社がプログラミング教室を?』と思われるかもしれませんが、これには沿線の方々のために事業を行う“地域貢献”という意味も大きいです」と話すのは、JR中央ラインモールの服部剛士氏だ。
プログラボ葛西校の講師も務める、東京メトロの北山由奈氏によると、「プログラボ」の監修を担当しているのは、追手門学院大手前中・高等学校教頭の福田哲也氏だという。
「福田先生は追手門学院大手前中高のロボット・サイエンス部の講師として、生徒をWROの世界大会入賞に導いた実績があり、同校でロボット教育を実践している第一人者です。また、プログラボは自治体からの委託を受けて、公立の小中学校のプログラミング教育の導入支援も行っています。このように、関西ですでに確立されたノウハウを持つ『プログラボ』のカリキュラムを使うことで、関東でも初年度からスムーズに学ぶことが可能です。また、教材費や入会費なども一切かからず、振替制度も導入していることで、ご家庭の負担を抑え、気軽に通っていただける教室になっております」(北山氏)
さらに、幼児からロボットプログラミングを学ぶ意義を、服部氏はこう話す。
「年長からの『ビギナー』コースでは、組み立てる過程から、力の伝わり方や動く原理など、ものの仕組みの基本を学びます。そうした実体験があることで、その後に学ぶプログラミングにも深みが出てきます」。
ただ単に机上で考えたのではない、実際にものを動かしたという体験が、プログラムを組む際にも生きてくるというわけだ。
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「プログラボ」の説明をする東京メトロの北山由奈氏とJR中央ラインモールの服部剛士氏
「プログラボ」では、4月からの開校に向けて、現在関東の3教室でそれぞれ無料体験会を開催している。今回の体験会と同様に、ロボットプログラミングの体験を通じて、子どものようすを見ながら、カリキュラムの内容などを確認することができる。
各教室とも定員が決まっているため、気になる方はお早めに予約することをおすすめする。
>>> 体験会開催中
<提供:プログラボ>