下水道で紙オムツ受入れ、検討ロードマップ公開…2020年度ガイドライン公開へ

 国土交通省は2018年3月23日、少子高齢化社会に対応するため、紙オムツ受入れ実現に向けた検討ロードマップを公開した。2018年度(平成30年度)からおおむね5年間での実施を目指す。

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下水道への紙オムツ受入に向けた検討ロードマップ
  • 下水道への紙オムツ受入に向けた検討ロードマップ
  • (参考)Cタイプ(粉砕・受入タイプ)における検討課題
  • (参考)下水道への紙オムツ投入に伴う利用者のメリット
 国土交通省は2018年3月23日、少子高齢化社会に対応するため、紙オムツ受入れ実現に向けた検討ロードマップを公開した。2018年度(平成30年度)からおおむね5年間での実施を目指す。

 2017年8月にとりまとめた「新下水道ビジョン加速戦略」に掲げる少子高齢社会への対応としての下水道へのオムツ受入れ可能性を検討するにあたり、国土交通省は2018年1月から「下水道への紙オムツ受入実現に向けた検討会」を設置。紙オムツの処理方式を含む導入課題やその対応方針などについて議論しており、同年3月23日に5年間での検討内容および検討体制を取りまとめたロードマップを示した。

(参考)Cタイプ(粉砕・受入タイプ)における検討課題
画像:粉砕・受入タイプで紙オムツを受け入れる際の検討課題イメージ

 下水道に紙オムツを捨てられるようにすることで、国土交通省は要介護者や高齢者、子育て世帯、在宅介護世帯や介護施設における精神的負担や労力負担の軽減を目指す。紙オムツの下水道への受入れが実現すれば、衛生面の改善などのメリットが生じる見込み。たとえば、紙オムツ使用に伴う精神的負担の軽減については、外出時の不安や紙オムツ持ち帰りの面倒さ、外出の億劫さといった負担が軽減されるとしている。国土交通省の示す資料では、下水道で紙オムツを受け入れるようになれば、女性の社会進出および少子化対策にメリットがあると示されている。

 2018年3月現在、技術面制度面から実現に向けた課題が洗い出されている。たとえば、技術面では、紙オムツ破砕等装置紙オムツ用宅内配管システムなどの実用化に関する課題があがっているほか、管路施設や水処理施設における影響の検討が必要だとされている。制度面では、費用負担のあり方や適正利用への対応が必要だとしている。

 「下水道への紙オムツ受入実現に向けた検討会」は今後、下水道への紙オムツ受入れに向け、検討ロードマップにもとづいた検討を進める。2018年度から2021年度まで基礎調査やコスト・市場性調査、社会的評価などの基礎検討に取り組み、2020年度にガイドラインの作成および下水道への紙オムツ受入れのためのガイドライン公表を目指す。
《佐藤亜希》

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