「風しん」流行収まらず…累積患者数952人、最多は東京都307人

 国立感染症研究所は2018年10月10日、風しん急増に関する新たな緊急情報を発表した。第39週(9月24日~30日)の風しん患者数は134人と4週連続で100人を超え、累積報告数は952人にのぼっている。首都圏で流行が続く一方、首都圏以外にも感染が広がりつつある。

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風しん累積報告数の推移 2014~2018年(第1~39週)
  • 風しん累積報告数の推移 2014~2018年(第1~39週)
  • 風しん累積報告数の推移 2012~2018年(第1~39週)
  • 週別風しん報告数 2018年 第1~39週
  • 都道府県別病型別風しん報告数 2018年 第39週
  • 都道府県別病型別風しん累積報告数 2018年 第1~39週
  • 年齢群別接種歴別風しん累積報告数(男性)2018年 第1~39週
  • 年齢群別接種歴別風しん累積報告数(女性)2018年 第1~39週
  • 年齢群別風しん累積報告数割合(男女別)2018年 第1~39週
 国立感染症研究所は2018年10月10日、風しん急増に関する新たな緊急情報を発表した。第39週(9月24日~30日)の風しん患者数は134人と4週連続で100人を超え、累積報告数は952人にのぼっている。首都圏で流行が続く一方、首都圏以外にも感染が広がりつつある。

 国立感染症研究所によると、第39週の風しん報告数は134人。地域別では、「東京都」の40人がもっとも多く、ついで「神奈川県」21人、「千葉県」「埼玉県」16人と、首都圏が多い状況にある。患者報告数は、第36週(9月3日~9日)145人、第37週(9月10日~16日)155人、第38週(9月17日~23日)143人と、4週連続で100人を超えている。

 第39週までの風しん累積報告数は952人地域別では「東京都」の307人が最多で、「千葉県」195人、「神奈川県」108人、「埼玉県」70人、「愛知県」55人、「茨城県」35人と続いている。首都圏で風しん報告数の増加が続く一方、首都圏以外の地域にも感染が拡大。第39週時点で風しん患者の報告がない都道府県は、青森、高知、佐賀、長崎、大分、鹿児島、沖縄の7県のみとなっている。

 風しん患者累積報告数は、2008年の全数届出開始以降では2013年(1万4,344人)、2012年(2,386人)についで3番目に多い。2018年は第39週までに先天性風しん症候群の報告はないものの、2013年には風しん流行に関連した先天性風しん症候群が45人確認されており、注意が必要だ。

 第39週までに報告された風しん患者の症状(重複あり)は、「発しん」99%、「発熱」91%、「リンパ節腫脹」59%、「結膜充血」39%、「関節痛・関節炎」24%、「咳」21%、「鼻水」15%など。報告患者の96%が成人で、男性が女性の5倍多い。予防接種歴や罹患歴がなく、抗体を保有していない集団が風しん患者の中心だという。

 風しんはワクチンによって予防可能な疾患とされる。現在は、1歳と小学校入学前1年間の幼児に対し、麻しん風しん混合(MR)ワクチンが定期接種されている。国立感染症研究所では、妊婦や赤ちゃんを守るためには、抗体保有率が特に低い30代後半~50代前半の成人男性に対する対策が欠かせないとして、啓発ポスターなどを通して、成人男性にワクチン接種を呼び掛けている。
《奥山直美》

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