奨学金の返還義務を知った時期、延滞者の約2割が「貸与終了後」

 日本学生支援機構(JASSO)は2019年3月29日、「平成29年度(2017年度)奨学金の返還者に関する属性調査結果」を公表した。奨学金の延滞者のうち、貸与終了後に返還義務を知った者の合計は19.1%にのぼることが明らかとなった。

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奨学金申請時の書類作成者
  • 奨学金申請時の書類作成者
  • 返還義務を知った時期
  • 延滞が始まった理由(きっかけ)
  • 延滞が継続している理由
  • 返還期限猶予制度の認知状況
  • 返還期限猶予制度をどこから知ったか
 日本学生支援機構(JASSO)は2019年3月29日、「平成29年度(2017年度)奨学金の返還者に関する属性調査結果」を公表した。奨学金の延滞者のうち、貸与終了後に返還義務を知った者の合計は19.1%にのぼることが明らかとなった。

 JASSOでは、奨学金の延滞者および無延滞者の属性を把握し、今後の奨学金回収方策に役立てることを目的に、「奨学金の返還者に関する属性調査」を毎年実施している。2017年度の調査対象は、2017年11月末において、奨学金返還を3か月以上延滞している者(延滞者)と、奨学金返還を延滞していない者(無延滞者)。調査時期は2018年1月。無作為抽出した対象者のうち、延滞者3,329人、無延滞者2,296人から回答を得た。

 奨学金申請時の書類作成者について、無延滞者では「奨学生本人」54.8%がもっとも多く、ついで「本人と親など」22.1%、「親(または祖父母などの家族、親戚」21.4%。一方、延滞者では「親」36.2%がもっとも多く、ついで「奨学生本人」35.5%、「本人と親など」21.0%。無延滞者は延滞者と比べて、本人が書類作成に関わっている比率が高い傾向にあることがわかった。

 奨学金の返還義務を知った時期については、無延滞者では「申込手続きを行う前」が89.0%と約9割を占めているのに対し、延滞者は50.9%と約半数にとどまった。また延滞者では、貸与終了後に返還義務を知った者の合計は19.1%で、そのうち10.7%は「延滞督促を受けてから」知ったと回答している。

 延滞者に延滞が始まった理由(きっかけ)を聞いたところ、「家計の収入が減った」67.8%が最多で、「家計の支出が増えた」40.2%、「入院、事故、災害などにあったため」19.9%、「忙しかった」13.9%などが続いた。延滞が継続している理由については、「本人の低所得」64.4%が最多で、「奨学金の延滞額の増加」45.0%、「本人の借入金の返済」29.3%などが続いた。

 返還期限猶予制度の認知率は、延滞者が73.7%、無延滞者が62.6%と延滞者の方が認知率が高かった。ただし、返還が始まる前までに認知していた比率は、無延滞者では合計で34.6%であるのに対し、延滞者では4.5%と大きな差がみられた。猶予制度について、延滞者は「機構(旧日本育英会)からの通知で」「相談センターに電話して」「債権回収会社から」知ったとの回答が多かったのに対し、無延滞者は「返還のてびきを読んで」「奨学金申請時・採用時の資料で」「学校の説明会で」知ったとの回答が多かった。延滞者は無延滞者と比べ、猶予制度を知るタイミングが遅め、かつ受動的な傾向にあることが明らかとなった。
《桑田あや》

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