世間の農学部に対するイメージ、実態とズレがある約7割

 世間が持つ農学部に対するイメージと実態に「ズレがある」と感じている農学部出身者は73%にのぼることが、摂南大学が発表した調査結果より明らかになった。実態とズレがあると感じるのは、「時代遅れ」「将来役立つ力を養えない」などであった。

教育・受験 その他
(農学部以外の出身者)農学部で学べる学問のうち知っていたもの
  • (農学部以外の出身者)農学部で学べる学問のうち知っていたもの
  • (農学部出身者)農学部に入学した理由
  • (農学部出身者)就職先として希望していた業種
  • (農学部出身者)卒業後の就職先
  • (農学部出身者)世間が持つ農学部に対するイメージと実態にズレがあると感じるか
  • (農学部出身者)農学部に対するイメージにおいて、実態とズレがあると感じるもの
 世間が持つ農学部に対するイメージと実態に「ズレがある」と感じている農学部出身者は73%にのぼることが、摂南大学が発表した調査結果より明らかになった。実態とズレがあると感じるのは、「時代遅れ」「将来役立つ力を養えない」などであった。

 「農学部に関するイメージ調査」は、2020年4月に農学部を新設予定の摂南大学が実施したもの。首都圏(東京、埼玉、神奈川、千葉)と関西圏(大阪、京都、奈良、兵庫)の10~60代の男女600人(性年代均等割付400s、農学部出身者200s)を対象に、2019年7月23日~25日に行われた。

 近年、新設ラッシュが続く農学部は、「最先端技術(AI・ICTなど)の活用」「製品の加工・物流」「食料品に関するマーケティング」など、幅広い知識を得られる学問を学ぶことができる。農学部以外の卒業者に、現在の農学部の学びに対する認知度を聞いたところ、「どれも知らない」52.8%がもっとも多かった。特に、関西女性の認知度が低く64%が「どれも知らない」と回答している。一方、関東男性は全項目で平均以上の理解があり、その中でも「最先端技術(AI・ICTなど)の活用」への認知度が36%と高かった。

 農学部出身者の入学理由は、「農業にかかわらず、幅広い分野を学ぶため」34%が最多。関西女性は「農業にかかわらず、幅広い分野を学ぶため」47.4%、「動物や植物が好きなため」42.1%が多かった。関東女性は「食について学ぶため」34.1%がもっとも多い。

 農学部出身者が在学中に希望していた就職先でもっとも多かったのは、「製造業(食料品・飲料品・日雑品のメーカー)」21.0%。関西女性は「農業・水産業」31.6%、関西男性は「官庁・自治体」19.4%が最多。関東では「製造業(食料品・飲料品・日雑品のメーカー)」がもっとも多かったが、関東女性は「病院・医療業」9.8%も視野に入れていた。

 実際の就職先は、「製造業(食料品・飲料品・日雑品のメーカー)」18.0%、「その他」15.5%、「農業・水産業」13.0%が多かった。入学時に希望していた就職先とあまり変化はなく、希望に近い就職ができていることがわかった。

 農学部出身者に世間が持つ農学部に対するイメージと実態とのズレについて聞いたところ、73%が「ズレがある」と回答した。実態とズレがあると感じるのは、「時代遅れ」66.0%、「将来役立つ力を養えない」61.5%、「就職に困りそう」61.0%、「野外での授業が多く大変そう」50.5%。「あまり稼げなそう」49.0%などであった。
《外岡紘代》

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