【大学受験】共通テストの記述採点、準備状況を公表

 ベネッセのグループ企業である学力評価研究機構は2019年11月12日、大学入学共通テスト「国語・数学の記述採点」に関する準備状況を公表した。採点の体制や採点の工程・仕組み、情報管理・セキュリティーについて説明している。

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 ベネッセのグループ企業である学力評価研究機構は2019年11月12日、大学入学共通テスト「国語・数学の記述採点」に関する準備状況を公表した。採点の体制や採点の工程・仕組み、情報管理・セキュリティーについて説明している。

 学力評価研究機構は、ベネッセホールディングスの100%子会社で、アセスメントの採点を専門とする会社。大学入学共通テストにおける「国語」「数学」の記述式問題採点関連業務(共通テスト記述採点業務)を、大学入試センターより委託されている。

 12日に公表されたのは、大学入学共通テストにおける「国語」「数学I」「数学I・数学A」の記述式問題の採点業務と、「大学入学共通テストの記述式問題の採点に関する準備事業」の検証支援業務の2つに関する準備状況。まず、大規模採点において、採点の公平性を担保するため、「ひとつの解答に対して複数の採点者が多層的・組織的に採点を行う体制」「すべての採点者が、正確な採点を行うことができるための研修制度」「多様な解答を踏まえた採点マニュアルを作成するノウハウ」を採点業務の体制・仕組みとして取り入れ、公平でブレがない採点を行えるよう準備をしていると説明している。

 採点は、設問ごとに3人以上の採点者で行うという。2人の採点者が独立して採点を行い、採点結果が一致する場合は、3人目の採点者が採点結果の正しさを確認。2人の採点者の採点結果が異なる場合は、上位採点者が採点をし、必要に応じてさらに上位の採点者が責任をもって判断・採点を行う。上位採点者は採点者の中から、資質や採点の習熟度・経験などを踏まえて任命された者で構成する。

 さらに、教員や講師の経験者などで構成する品質管理専門組織が、採点結果が一致しない要因などを分析・精査し、採点者へフィードバック。採点の品質管理を行っていく。これらの過程においては大学入試センターからの点検を受け、適宜、採点責任者(学力評価研究機構の社員)と協議を行いながら採点を進めることで公正性の担保に努めるという。

 また、採点の工程・仕組みとして、採点者の選抜制度、採点者の研修制度、採点の正確性の向上、採点業務、品質チェックの内容について説明。採点の正確性の向上について、採点基準は大学入試センターにより提供される。個人の主観による判断が入る余地をなくし、統一した採点ができるように採点マニュアルを作成。多様な解答に対応できる考え方や採点者の迷いやすいポイントを網羅することで、正確な採点を実現するという。

 情報管理・セキュリティーに関して、すべての解答データは個人情報が切り離された状態で大学入試センターから受け取り、専用サーバーにて厳重に管理・保管される。そのため、学力評価研究機構で個人を特定することはできない

 採点は専用の採点会場のみで集合形式にて実施され、許可された採点者のみ入れるよう、セキュリティーゲートで入室を制限。携帯電話や電子媒体など私物はすべてロッカーに保管し、金属探知機を用いて持ち込みがないか確認される。採点者が使用する端末は、インターネットへのアクセスや外部記録媒体への書き出しが物理的に行えないように制御されているという。また、採点会場は監視カメラで24時間監視する。

 学力評価研究機構は、受験生ひとりひとりの将来を左右する重要な局面において、公平・公正な入試を実現すべく、大学入試センターの指導のもと、引き続き最善を尽くしていくとした。大学入学共通テスト「国語・数学の記述採点」に関する準備状況の内容は、学力評価研究機構Webサイトに掲載されている。
《黄金崎綾乃》

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