3千万人の子どもが命の危険に…コロナ拡大受け緊急報告

 世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは2020年4月6日、緊急報告書「Aftershocks」を発表。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は、3,000万人の子どもたちの命を脅かすと警告した。

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 世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは2020年4月6日、緊急報告書「Aftershocks」を発表。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は、3,000万人の子どもたちの命を脅かすと警告した。

 緊急報告書「Aftershocks」は、2014年から2016年にかけて起こったエボラ出血熱のアウトブレイクに対して、ワールド・ビジョンが実施した大規模な緊急支援の経験をもとに、COVID-19感染拡大によって世界の子どもたちが受ける悪影響を分析し、まとめたもの。分析の対象国は、国連が発表した人道支援計画でももっともぜい弱とされる24か国としている。

 緊急報告書では、感染拡大が進むことにより保健医療システムが崩壊し、「COVID-19以外の病気にかかった際に治療を受けられなくなる」「本来受けるべき各疾病の予防接種を受けられなくなる、もしくは接種が遅れる」「食料不足によって栄養不良が増加する」といった悪影響が想定されると警告。

 これらの事象が発生した場合、予防接種を受けられなくなり、結果として深刻な疾病にかかりやすくなる子どもが2,600万人、重度の栄養不良に陥る子どもが500万人(現在の4割増)、マラリアに感染しても治療を受けられずに死亡する子どもが10万人(現在の5割増)など、影響を受けると推測される子どもたちの数は約3,000万人にのぼるという。

 ワールド・ビジョン総裁のアンドリュー・モーリーは、国際社会に対して「ぜい弱な環境にある国・地域においては、こうした副次的な事由が子どもたちの命を危険にさらすことが危惧されます。我々はまさに今、行動することが求められています」とコメント。ワールド・ビジョンはCOVID-19への緊急対応として、1月にアジア地域での緊急支援活動を開始。3月には活動国をもっともぜい弱な17か国に拡大し、継続して支援活動を行っている。
《桑田あや》

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