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ヒンジが360°回転するので、通話時などは画面を外側にして折り返して使うことも可能。プロセッサーにはSnapdragon 855を搭載し、ストレージは128GBまたは256GB、メモリは6GBと、昨年発売のハイエンドAndroidスマホと同等程度のスペックで、価格は1399.99ドルからとなっている。
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マイクロソフトの新機軸の製品として注目されるSurface Duoだが、実際のメリットはどのような点にあるのだろうか?
ビジネスシーンを強く意識した端末
本製品に形状の近い2画面タイプのスマホには、LGの「ThinQ」シリーズがある。こちらは、スマホ本体とサブディスプレイを専用ケースに装着することで2画面で使える端末で、画面サイズは最新モデルの「LG V60 ThinQ 5G」で片面約6.8インチとなっている。
両者の違いとして、片面のアスペクト比がThinQは20.5:9と縦長であるのに対して、Surface Duoは4:3と幅広の形状となっている。さらに、2画面で使用する場合は、ThinQが正方形に近い比率になる一方で、Surface Duoは紙の書類の縦横比に近い3:2となる。
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このことからも分かるように、Surface Duoは、書類の閲覧や編集といった用途を強く意識した端末だ。とはいえ、8.1インチという画面は、これだけで仕事を完結するには厳しいサイズだろう。
「移動中」の利用に強みを発揮しそうだが……
Surface Duoが活躍しそうな状況を想像すると、「移動中のスキマ時間に、ノートPCをカバンから出すほどの時間は確保できないけれど、ちょっと書類を確認したい」「通勤電車の狭い座席でノートPCは広げにくい状況だが、どうにか書類作成をすすめたい」といった移動中の利用が思い浮かぶ。
作業内容的に通常のスマホ画面では不足感があるものの、物理的にノートPCの使用が難しい状況では、このくらいの画面サイズは手頃だといえる。実際、筆者は広げた状態のSurface Duoにサイズが近い7.9インチのiPad miniを上記のような用途で使っているが、移動が多い状況ではかなり重宝していた。
しかし、テレワークが広まり、さまざまなことがオンライン化された現在の状況では、このようなSurface Duoの強みを発揮できる場面は限定的になりそうだ。
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マイクロソフトからは、2画面PCの「Surface Neo」も発表されている。こちらの発売はもう少し先になりそうだが、テレワーク環境の快適化が重視される今の状況では、むしろこちらの製品が多くのユーザーのニーズに応えてくれるのかもしれない。
とはいえ、現在のコロナ渦もこの先ずっと続くわけではないはずだ。新型コロナが終息し、以前のように外出や移動を自由に行える時代が再び訪れたときに、本製品の真の実力が見えるのではないだろうか。
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もうひとつの課題は「重さ」
その他に普及にあたりネックになりそうな点として、2画面スマホの宿命でもある「重さ」が挙げられる。本製品は、厚みこそ9.9mmとかなりスリムになっているものの、重さは250gあり、長時間の通話などでは少々負担になりそうだ。携帯性の高さや通話時の利便性を重視するユーザーには選びにくい製品だろう。
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本製品の発売開始を伝えるマイクロソフトのブログには、「Surface Proを発表した時も、タブレットがノートパソコンの代わりになるとは誰も思っていませんでしたが、実際にはそうなりました。何か違うことをするには忍耐と信念が必要です。」という記述がある。
現状では購入者層が限定されそうな印象のSurface Duoにも、マイクロソフトなりの「信念」やビジョンがあるのかもしれない。そういった点も含めて、今後の動きを長い目で見ていきたい製品だ。
Surface Duoが発表された2019年10月の発表会の様子。端末の紹介は1:27:30ごろから