受験生7割以上が深刻な運動不足…明治大調査

 明治大学サービス創新研究所の内藤隆客員研究員は、受験生を対象とした身体活動の調査を実施。受験期は身体活動量が著しく低下し、受験生の70%以上が運動不足になっていることがわかった。研究成果は、日本運動疫学会発行の「運動疫学研究」に2020年9月30日に掲載された。

教育・受験 高校生
受験生の身体活動量(週あたりの時間)
  • 受験生の身体活動量(週あたりの時間)
  • 運動不足になっている者の割合
  • 受験生のための運動ガイド(リーフレット版)
  • オンライン授業の合間に生徒とともに ストレッチを行う講師(都内の学習塾)
 明治大学サービス創新研究所の内藤隆客員研究員は、受験生を対象とした身体活動の調査を実施。受験期は身体活動量が著しく低下し、受験生の70%以上が運動不足になっていることがわかった。研究成果は、日本運動疫学会発行の「運動疫学研究」に2020年9月30日に掲載された。

 これまで受験生の運動不足は経験的に語られているものの、受験活動が本格化する前後で身体活動量がどの程度変化するかを示すデータはなく、これらを明らかにすることを目的に調査を実施。アンケート調査において「運動不足を感じる」と回答した受験生(中学3年生・高校3年生)は90.2%となっている。調査では、中学3年生、高校3年生1万8,733人を対象に身体活動量、座位時間について調べた。

 受験生の中強度(歩行)以上の週あたりの身体活動時間は、中学3年生男子の受験期前(6月)は540分から受験期(11月)は270分に減少。中学3年女子は、受験期前の420分から受験期は251分に減少。高校3年男子は300分から210分、高校3年女子は228分から200分に減少している。

 中学3年生、高校3年生の男女とも、受験生(外部受験・内部進学)は受験期に身体活動量の中央値が有意に減少。とくに外部受験する男女は、受験期に座位時間が有意に増加し、より不活発な生活スタイルになっていた。非進学の高校3年生男子も受験期に身体活動量が有意に減少し、受験による影響(部活動の引退など)は非受験生にもおよんでいることが示唆された。

 WHOの身体活動量の推奨値を参考に、中強度(歩行)以上の身体活動量が週あたり420分未満を身体不活動(運動不足)と定義したところ、中学3年生の男女とも受験期は70%以上が運動不足で、高校3年生の男女は80%以上が運動不足となっていた。

 成長期にある受験生の多くが運動不足に陥っていることは大きな問題で、さらにコロナ禍で体を動かす機会が減っており、受験が近づき、受験生の運動不足は加速するとみられる。内藤隆客員研究員は、受験生の運動不足解消のため、「受験生のための運動ガイド」を作成し、教育機関への配布を開始している。ガイドでは、受験生が体を動かすことのメリットや教室や自宅で勉強合間にできるストレッチ、簡単な筋力トレーニングの紹介に加え、自分の身体活動量を計算し把握することができる。Webサイトでも同様の情報を公開している。
《田中志実》

【注目の記事】

編集部おすすめの記事

特集

page top

旬の教育・子育て情報をお届け!(×をクリックで閉じます)